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2016.11.15
カントリーリスク&経済レポート

メキシコ経済:さらなる困難が待ち受ける

メキシコ経済:さらなる困難が待ち受ける
  • GDP成長率:2016年は1.6%、2017年は1.5%と予想される
  • 政府はGDPの1.2%に相当する2400億メキシコ・ペソ(約129億米ドル)の予算削減を提示
  • 米国の政治情勢への近接が引き続き不確実性の原因に
  • 公的債務の割合は2013年の38.3%から2015年には42.3%に上昇。2016年末には45%に達するものと見られる

経済の見通しは不透明

2016年第2四半期、季節調整済み経済活動は、前期の2.5%(対前年比)から1.5%へと減速した。この数字の悪化の主な原因は、産業が第1四半期と比較して第2四半期に1.5%縮小したことだが、これは石油生産の大幅縮小と製造業及び建設業が直面している困難によるところが大きい。サービス業セクターも減速し、前年同期と比較して、2016年第1四半期には3.4%だった成長率が第2四半期には2.4%に縮小した。

所得ファンダメンタルズは徐々に力強さを失うと予想される

メキシコの新任財務大臣であるホセ・アントニオ・ミードは、2017年予算を提示し、その中で緊縮財政をさらに強化する政府の姿勢を打ち出した。同予算には、GDPの1.2%に相当する2400億メキシコ・ペソ(約129億米ドル)の歳出削減が含まれる。これは、2016年の1690億メキシコ・ペソ、そして2015年の1240億メキシコ・ペソの削減額をはるかに上回る。削減分のほとんどは、国有石油会社であるPEMEXの資金調達(-53億米ドル)によるものである。石油会社への投資額の削減はさらなる石油の減産につながり、将来の税収減少を意味するため、メキシコ政府は自ら墓穴を掘っているともいえる。

これらの予算削減に加え、今年に入ってからのメキシコ・ペソの急落により、消費購買力も下がっている。他の61の通貨と比較して、メキシコ・ペソは2016年1月~9月期において、3番目に大きなマイナス変動(対前年比-12%)を記録している。これを上回る下落を記録したのは英ポンドとアルゼンチン・ペソのみである。

 

短期的には引き続き厳しい情勢が続くものと見られ、民間消費に関連するセクターの勢いは減速する。コファスは、メキシコの小売と自動車セクターのカントリーリスクを格下げする。コモディティ関連セクターは引き続きリスクを抱えたままである。

 

セクター・バロメータ

  • 自動車産業:減速する。2016年1月から9月にかけて、自動車産業の実績は前年比で0.9%減速した。メキシコ自動車産業は輸出志向が強いため、この精彩を欠いた数字は、特に米国への輸出が減少したことによる。
  • 農業/食品:リスクは主として農業活動と連動。このセクターは引き続き高いリスクを抱える。その要因はいくつかあるが、国際価格の低下、輸入肥料の価格に影響を及ぼす通貨の下落、このセクターの支払期限の長期化、作物への資金調達のための優れたキャッシュフロー管理の重要性、そして厳しい気象条件などが挙げられる。
  • 化学産業:まだ石油改革の恩恵に浴していない。国際石油価格の下落により、投資先としての化学産業セクターの魅力が薄れてしまったため、2013年12月に承認された主なエネルギー改革のプラス効果はいまだ形になって表れていない。最近、メキシコの国有石油会社への出資予算が53億ドル削減されたことも、石油減産の新たな要因となる。
  • 建設:公的資金が乏しく、土木工事はじわじわと減っている。石油産業からの税収が減ったため、一部のインフラプロジェクトは延期になったり中止されたりしている。メキシコの建設業会議所は、2017年には建設業への公共投資が30%削減されると予想。
  • サービス業:成長は引き続き減速。好調な所得ファンダメンタルズに後押しされ、サービス業セクターの業績は比較的よい。しかし、近い将来、金融・財政緊縮サイクルの反動を国民がより強く感じるようになるにつれ、この拡大のリズムは減速すると見られる。
  • 医薬品:平均寿命の延びが活動を支える。メキシコの人口は1億2000万人ほどで、平気寿命も延びているため、このセクターは長期的な見通しが明るい。ただし短期的には、このセクターも連邦政府予算の削減の影響を受けるだろう。
  • 小売:近い将来、所得ファンダメンタルズが悪化すると予想される。2008年から2009年にかけての経済危機の影響を被って以後は、このセクターは順調に成長している。2016年7月には、売り上げは対前年比で7.9%増加した。それでもなお、消費者がインフレ率と金利の上昇による効果を実感し始めるにつれ、成長は減速を始めるだろう。
  • 鉄鋼:世界的にも国内的にも低成長のシナリオ。メキシコの鉄鋼生産は、今年の1月から8月までの期間中、前年同期比で0.3%減少した。当面、事業環境は引き続き影響を受けやすい状態が続く。世界的に見ると、中国による全体的な生産量を減らすという宣言が現実になるには、まだしばらく時間がかかるだろう。一方、メキシコの国内市場は、建設業の活動が精彩を欠くことにより、引き続き部分的に影響を被るだろう。

 

レポートをダウンロード

  • A Cloudy Economic Outlook
  • Sector Barometer

 

 

 

 

 

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