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2013.04.22
カントリーリスク&経済レポート

アジア太平洋地域における企業の支払延滞状況が2012年度に悪化した事が調査によって明らかに - 企業は2013年...

世界有数の信用保険グループであるコファスは、2012年第4四半期にアジア太平洋地域における企業信用リスク管理に関する調査を行なった。その結果、同地域における企業の支払振りは全般的に悪化したことが明らかとなった。オーストラリア、中国およびインドの企業は、不払いの増加に悩まされている。建設、IT、ISP&データ処理、ならびに繊維、衣料&靴の各セクターは、より高いリスクに曝されている。この地域の企業は、2013年度における世界の景気回復について、これまでより楽観的ではなくなっている。

 

2011年度に比べて企業の支払遅延が増加

 

同調査によると、インタビューに応じた企業の67%は、2012年度における延滞が2011年度に比べて2 %増加した、と答えた。延滞を報告した企業のうち、43%は延滞金額が前年度を上回ったと述べており、2011年度には僅か29%しか同様の報告をしなかったことから見て、この事実は大変憂慮すべきことである。この調査に参加した全ての国を比較すると、オーストラリアの大半の企業(83%)が延滞を報告しており、中国でもより多くの企業(56%) が実際の延滞金額は増加した、と答えた。

 

我々の経験では、売上高の2%超の長期支払延滞を抱える企業は流動性問題に直面し、バイヤーたちによる不払いの高リスクに曝されかねない。インドでは、売掛金の2%超の延滞を抱える企業の60%が、6 ヵ月以上の支払延滞となって験おり、この比率は他の国々の中でも最高である。

 

「アジア太平洋地域における企業の支払振りは2012年に悪化した。より多くの企業が延滞を報告しただけでなく、より多くの企業が実際の延滞額は増大した、と答えており、このことは良いシグナルではない。2012年に世界経済の景気減速は、アジア太平洋地域の企業を直撃し続けた。と言うのも、EU と米国の市場が今なお、アジア、とりわけ中国、香港、台湾およびシンガポールにとって最大の輸出市場だからである。

 

中国では、中小企業も2012年にはいくつかのショック、中でも著しい賃金への圧力と融資へのアクセスの問題に見舞われた。オーストラリアでは、オーストラリアドル高が輸出と国内市場の両方でオーストラリア製品を割高にした。いくつかの大きな倒産もオーストラリアにおける不払いに広範なドミノ効果をもたらした。インドでは、高インフレが中央銀行に通貨引き締め政策の維持を強いて来ており、従って、インド企業は彼らの事業へのファイナンスをサプライヤーからの信用に大きく頼っている。債務管理とリファイナンスは、厳しい経済状況に置かれたインド企業にとってきわめて重要である。

 

コファスは2012年に、これら3ヵ国で支払事故の著しい増加も記録した」と、コファス・アジア太平洋地域のCEOであるリチャード・バートンは述べた。

 

信用供与が増えれば、自動的に支払遅延は増えるのか?

 

当地域の企業がバイヤーたちにオファーした掛売りによる取引は、2011年の76%から2012年の82%へと増大した。市場競争が未だ掛売りオファーの主な理由であるが、ますます多くのバイヤーたちが彼らのタイトな流動性のために、掛売りを求めるようになっている。信頼度が落ちてさえ来ているのに、企業は尚も競争の中でビジネスを勝ち取るために掛売り条件をオファーして来た。

 

調査対象の全ての国の中で、台湾と日本の企業が最も掛売りに積極的である。日本企業の42%、台湾企業の48%が、彼らの平均的信用条件として、90日以上の信用を供与した。日本企業の58%と台湾企業の48%は、彼らの年間売上高の75%超の掛売りによる販売を行なっている。それにも拘わらず、日本と台湾の企業の約90%は、彼らの延滞債権を売上高の2%未満に抑えることに成功しており、平均的延滞日数を60日未満に保ち、当地域で最良の信用管理を示している。

 

香港とシンガポールの企業は、掛売りにより消極的である。彼らの大半は、平均的信用条件として30日未満の信用を供与したに過ぎない。しかし、香港企業の49%とシンガポール企業の53%は、彼らの売掛金の2%超が6ヵ月以上の延滞債権となっており、これは平均の37%に比べてきわめて高い。60日超の平均延滞日数を報告した企業の数も、平均の29%よりも高率である。

 

「香港とシンガポールの企業は大抵が中小企業であり、財務管理における債権保全の重要性に対する意識がより低い。台湾や日本では、企業による信用管理ツールの利用度がそれぞれ80% と 100%に達しており、両国の企業が不良債権リスクを極小化するために信用管理に対して、より多く投資していることを反映している。彼らはバイヤーへの信用供与に積極的であるにもかかわらず、売掛金や平均的延滞日数をとても低いレベルに保つことができている。

 

売掛金は企業にとって他の資産と同じように重要である。掛売りのオファーは確かに、ビジネスを勝ち取るために効果的な方法である。しかし、適切な信用管理がなければ、それは企業の財務状態に大きな影響を与えるであろう。信用保険の利用が18%から2012年には24%へと増加したのを見ることも、心強いことである。」とバートンは語った。

 

リスキーな産業 :建設、IT &データ処理、ならびに繊維、衣料&靴

 

本調査はまた、建設、IT、ISP&データ処理、ならびに繊維、衣料&靴各産業における企業の支払遅延状況、延滞動向、平均的延滞日数ならびに長期負債比率が、他の産業に比べてより高いリスクを抱えていることも明らかにした。

 

建設:中国、シンガポールおよび香港では、当局が投機バブルの形成と家を手に入れる資力のない、既に多数おり、ますます増えつつある民衆の間での不満の高まりを恐れて、不動産市場を冷やす政策を取っている。このセクターは、政府の方針と金融市場にきわめて敏感である。公共工事とインフラに関連する建設は、継続的な拡大政策と多くのアジア諸国における天災後の復興を考えると、不安定性はより低い。建材セクター(鉄鋼、石炭およびセメント)における供給過剰も、監視しなければならない。

 

ITISP &データ処理 : 当セクターは、ここに属する企業の大半が中小企業であるため、過当競争と薄い利鞘によって特徴付けられる。この市場は情報技術の持続的進化に弱い。

 

 

繊維、衣料&靴 : 当セクターは、消費財の需要が景気減速の影響を受け易いので、伝統的にリスキーなセクターである。EU および米国の市場回復は、未だ大半の国がこれらの市場への輸出に頼っている以上、きわめて重要である。国内市場における競争もまた、このセクターではとても熾烈である。

 

アジア太平洋地域の企業は、世界経済についてこれまでより楽観的ではない

 

回答者の69%は、世界的回復について これまでより楽観的ではなくなっているという見解を反映して、景気減速が2013年に終わらない、と信じている。オーストラリア、中国および日本の企業は、世界経済および国内経済の両方について、これまでより楽観的ではなくなってきている。

 

「ユーロ圏における債務危機の未解決状態と米国市場の遅い回復とは、多くの企業に対して回復を疑問視させている。彼らのうちの多くは、国内の通貨政策、融資へのアクセスの改善、産業奨励プロジェクトおよび不動産市場の回復に望みをかけている。

 

我々は世界のGDP成長が2013年に、2012年と比べて安定することを期待している。 GDP の成長は、新興国と特にアジアによって、突き動かされている。一部の大新興市場は、実に2012年の協調的経済政策の遅延効果と力強い国内需要の恩恵を受けるであろう。他方、ユーロ圏は世界的成長の足枷に留まっている。我々はそれでも、米国の成長が、民間投資の改善と消費回復との寄与によって、今年は1.5%に達することを期待している。」とバートンは述べた。

 

本調査は2012年第4四半期に行われ、オーストラリア、中国、香港、インド、日本、シンガポールおよび台湾のあらゆる規模ならびに産業に属する2,274 社の企業から回答を得た。この調査は、アジア太平洋地域の企業における、支払経験、支払動向および信用リスク管理実務の現状に対する幅広い理解の提供を目的としたものである。

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