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コファス アジア太平洋地域(APAC)支払動向調査2026: 日本企業の3/4近くが顧客の支払遅延を経験

コファスのアジア太平洋地域(以下「APAC」)支払動向調査2026によれば、日本企業の73%が過去12カ月間に顧客の支払遅延を経験しています。日本では支払規律が悪化しているようであり、支払遅延の深刻度、頻度ともに改善よりも悪化に向かっているとみられる企業が増えています。 コファスは、企業の支払行動や支払リスクを把握するために毎年実施している調査の一環として、複数のセクターやAPAC10カ国にまたがる財務担当者2,800名を対象に調査を実施し、日本からは252名の回答がありました。

日本の主な調査結果:

  • 日本の企業の73%が、過去12カ月間に支払遅延があったと報告しました。
  • 28%の企業が12カ月前と比較して支払遅延の深刻度と頻度がともに増加したと報告しました。一方、深刻度が減少したと回答した企業は12%、頻度が減少したと回答した企業は14%でした。
  • 50%の企業が過去12カ月間に1社以上の顧客の債務不履行を経験していますが、これはAPACの平均45%を上回っています。
  • 35%の企業は今後12カ月で支払条件が悪化すると予想しています。
  • 回答者の58%が、依然として非公式または限定的なデータに基づいて支払リスクを評価しています(APAC全体では回答者の36%)。

コファスの地域エコノミストであるJunyu Tanは以下のように述べています。:

「日本の支払リスクの特徴はAPAC全体とは異なります。支払遅延を報告した企業は減少しましたが、それでも支払遅延はよく発生しています。遅延が発生すると、債務不履行が発生する可能性が高くなります。これは、日本企業の課題が支払遅延の発生頻度だけでなく、いかに迅速かつ適切に新たなリスクを検知し、対応するかという点にもあることを示唆しています。」

支払遅延の発生率は低下、しかしリスクは依然として大きい

一見すると、日本は他のAPACの国々よりも支払遅延の頻度が低いように見えます。過去12カ月間に支払遅延を経験した企業の割合は日本では約73%、APAC全体では91%でした。また、今後12カ月で支払条件の悪化を見込む企業の割合はAPAC全体では48%だったのに対し、日本企業は35%と先行きをそれほど悲観的にみていません。
しかし、この相対的な耐性の裏にはより深刻な根本的リスクが存在します。日本の回答者の半数(50%)が過去12カ月間に1社以上の顧客の債務不履行を経験しており、APAC平均の45%を上回っています。債務不履行を経験した企業のうち、債務不履行額が売掛債権の5%にまで達したとする回答者の割合は、日本で62%だったのに対し、APAC全体では54%でした。

支払規律が悪化する中、日本企業は慎重姿勢を崩していない

この1年間、日本企業の支払遅延がより頻繁かつ深刻になっていることから、日本企業は信用販売に比較的慎重な姿勢を維持しており、APACの他国企業に比べて支払期間を短くする傾向にあります。平均支払期間は、日本が62.7日であるのに対し、APACは平均70.2日です。
支払遅延の程度、支払条件、先行き見通しはセクターによって異なります。紙・パルプやエネルギーのセクターは支払期間が最も長い一方で支払遅延の平均期間も最も長くなっています。これは、これらの業界でバイヤーの決済が遅くなっていることを示唆しています。今後について、支払動向に最も悲観的な見方を示したのは化学企業で、建設エネルギー分野の企業がこれに続きました。これは、現在の地政学的情勢を背景にコストやサプライチェーンへの圧力が続くとの見通しを反映していると考えられます。

取引関係を重視した意思決定はリスク認識を遅らせる可能性がある

日本を含めアジアでは、顧客との関係が依然として商取引上の意思決定の中心となっています。長年続く取引関係が企業の支払遅延への対応に影響を与える可能性があり、一部の企業は既存顧客に対してより大きな柔軟性を認めています。日本の企業の半数以上(54%)は、長年の取引関係が支払遅延の許容度に影響すると述べ、66%は取引関係への配慮を財務上の警戒指標よりも重視することがあるとしています。
日本では顧客の財務的健全性と信用力を支払遅延の最大の要因(次いで、セクター固有の要因とマクロ経済状況)と考えている回答者が21%であることを踏まえると、経営者は支払遅延行動を評価し対処する方法を見直す必要がある可能性を示唆しています。  

コファスジャパンの日本における代表者、木谷明日香は以下のように述べています。:「顧客との強固な結び付きは日本のビジネス文化の重要な一部ですが、それによって客観的なリスク評価を遅らせるべきではありません。繰り返される支払遅延は、多くの場合、早期警戒指標です。取引関係についての知識と適時な財務分析を組み合わせている企業は、より適切にキャッシュフローを保護し損失を回避することができるでしょう。」

財務情報・分析が依然として十分に活用されていない

日本の企業は顧客の支払リスクを評価するためにデータや分析を活用していますが、今回の調査は改善の余地があることを示しています。財務情報が顧客の支払リスク評価に少なくとも中程度の影響を与えている割合は日本企業では65%と、APAC平均の78%を下回っています。
日本の回答者が、入手可能な財務情報の欠点として多く挙げたのは「不完全な開示」(53%)、「中小企業による報告の質の限界」(48%)、「透明性の欠如」(47%)でし
た。その結果、日本の回答者の58%が依然として非公式または限定的なデータに基づいて支払リスクを評価しています(APAC全体では36%)。

さらに、木谷明日香は以下のようにコメントしています。:「日本では支払遅延の発生率は比較的低いですが、企業がコストと信用に対する継続的な圧力に直面しているため、債務不履行リスクは依然として高いままです。サプライヤーが現在優先すべき事項は、早期の介入と事業の長期的耐性を支援するため、警戒指標やエスカレーション・プロセス、与信判断の間の連係を強化することです。」

 

【コファス APAC支払動向調査2026について】

2026年3月から4月にかけて実施された第16回コファス APAC支払動向年次調査は、複数のセクターとAPAC 10カ国にまたがる財務担当者2,800名(日本の回答者は252名)から知見を収集しました。本調査は支払行動の変化、流動性圧力、顧客の債務不履行、早期警戒指標を調査する一方、支払リスクへの組織的耐性を高める、ガバナンスや分析、エスカレーションの枠組み、顧客との対話の実践について評価しています。

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