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英国支払調査2026:支払遅延が成長戦略の足かせに 英国企業は防衛的な経営姿勢を継続

信用保険、債権回収、企業情報サービスを提供するコファスは、英国企業の支払動向に関する第2回調査(1)の結果を発表しました。調査結果からは、多くの企業がキャッシュフローの確保を最優先課題とし、厳しい資金繰りへの対応に追われている実態が明らかになっています。キャッシュフロー圧力に対応するために取引先への支払期間を延長する企業が増える一方で、サプライチェーンの混乱が長期化し、企業は悪循環から抜け出せない状況にあります。その結果、収益性は不安定な状態が続き、投資に対する積極姿勢も弱まっています。

主な調査結果

  • 財務上の課題が支払遅延の最大要因。過去1年間で英国企業の9割が支払遅延を経験し、平均遅延日数は34日と前年から2加。企業の財務状況悪化を示唆する結果となった。
  • 支払期間は平均57日へ長期化。前年から約1週間延び、欧州でも最長クラスの水準。企業による支払期間の長期設定傾向の強まりが見られる。
  • AI活用企業の大多数でアウトソーシングが増加。AIは既存コストの削減よりも、新たなサプライヤーコストの発生につながっている可能性がある。
  • 今後12カ月で英国経済の悪化を見込む企業は45%。支払遅延の増加を予想する企業は57%と、前年の37%から大幅上昇した。

 

支払遅延の深刻化と企業マインドの悪化

支払遅延は依然として広がっており、過去1年間で英国企業の89%が支払遅延を経験しました。

平均遅延日数は34日と前年から2日増加。支払遅延の最大の要因として顧客の財務上の課題(37%)が挙げられ、組織運営上の問題(26%)がこれに続きました。

業種別では、支払行動の改善がみられた業界はありませんでした。特に製紙・木材、金属、自動車・運輸業界で大幅な悪化が見られ、中国企業との競争激化や米国の関税引き上げ、イラン情勢を背景としたサプライチェーンの混乱が影響したとみられます。

<div class="ibexa_text-field" > 2026 UK survey Proportion of companies that experienced payment delays in past 12 months </div>

(Data for graphs in .xlsx format)

先行きについては、マクロ経済環境の一段の悪化が見込まれるなか、回答企業の57%が今後12カ月以内に支払遅延が増加すると予想しています。

 

支払期間の長期化が継続 中小企業への負担増

英国では依然として支払条件の設定が一般的であり、支払条件を設けていない企業は回答企業の1.6%にとどまりました。一方で、平均支払期間は57日と、過去数年より6日長くなっており、欧州でも最長クラスの水準となっています。

支払期間が90日を超える企業は、大企業では3社に1社に上る一方、零細・小規模企業では12%にとどまりました。特に、エネルギー、プラスチック、化学、自動車といった製造・工業系業種では、支払期間の長期化が見られています。一方、ホスピタリティ、観光、製薬、医療など国内市場を中心とするサービス業では、厳格なキャッシュフロー管理を背景に、比較的短い支払期間が維持されています。

 

支払期間の長期化は、中小企業にさらなる負担をもたらしています。大企業は支払遅延の影響をある程度吸収できる一方で、多くの中小企業は資金繰りの綱渡りを強いられており、事業を維持するためにキャッシュフローを慎重に管理しています。

 

今後、経済環境の悪化が見込まれるなか、入金までの期間が長引くほど、中小企業が成長に向けた投資を行う余力や、さらなる外部環境の変化に対応する力は損なわれていきます。

と、コファスの英国・アイルランド担当カントリーマネージャーである Benoit URBIN は述べています。

 

AI活用拡大の裏で高まるサプライチェーンへの負担

AIはコスト削減につながるだけでなく、企業に新たなコスト負担をもたらしていることが明らかになりました。AIを活用している企業の80%が、外部ベンダーの活用方法に変化が生じたと回答しており、その大半は、外部専門家への依存度が低下するどころか、むしろ高まったとしています。大企業では、顧客サポートが唯一、アウトソーシングの拡大よりも内製化の進展が上回った業務領域でした。

さらに調査では、複数の業種でAI活用の進展と企業倒産率の上昇に関連性がみられました。この結果は、AI関連需要の拡大による恩恵が見込まれる一方で、技術変化への対応が遅れたサプライヤーは、今後さらに厳しい事業環境に直面する可能性があることを示唆しています。

<div class="ibexa_text-field" > 2026 UK Survey : Change in insolvency ratio relative to tasks able to be replaced by AI </div>

(Data for graphs in .xlsx format)

収益改善への期待も 楽観視できない事業環境

今後12カ月で英国経済の悪化を予想する企業は45%と、改善を見込む企業(25%)を大きく上回りました。一方で、自社業績に対する見通しは比較的前向きで、51%の企業が利益の増加を期待しています。しかし、こうした楽観的な見方は、コスト削減や支払期間の延長によるキャッシュフロー確保に支えられている側面が大きく、利益率は依然として不安定な状況にあります。

また、多くの企業が厳しい資金繰りを続けるなか、依然として最大の懸念事項となっているのが金利動向です。借入コストの高止まりが続けば、収益性の改善効果が打ち消される可能性があります。

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(1)2026年7月に参加企業608社を対象として実施した調査

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