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コファス アジア太平洋地域(APAC)支払動向調査2026:景気回復が進む中でも、香港企業の半数が支払環境の悪化を懸念

コファスのAPAC支払動向調査2026によると、香港では過去12か月間に93%の企業が何らかの支払遅延を経験したと回答しており、APAC全体の91%を上回りました。この結果は、香港経済が改善基調にある中で明らかになったものです。香港のGDPは2026年上半期に5.1%成長し、過去約5年間で最も高い半期成長率を記録しました。これを受けて香港政府は、2026年通年の経済成長率予測を従来の2.5~3.5%から3.5~4.5%へ上方修正しました。しかし、このような力強い経済成長にもかかわらず、これまでのところ企業の支払行動に改善は見られていません。

  • 過去12カ月間に支払遅延を経験した香港企業は93%。アジア太平洋地域平均の91%を上回る水準。
  • エネルギー、運輸、金属セクターで支払遅延が最も深刻化。平均遅延日数は約80日。
  • 製品納入から代金回収完了までに要する期間は平均144日。
  • 輸送、エネルギー、農業・食品・食品などのセクターでは、キャッシュ・コンバージョン・サイクルが160日を超過。
  • 香港企業の半数(50%)が今後12カ月間の支払環境悪化を予想。アジア太平洋地域平均の48%を上回る結果。

「景気回復は確かに進んでいますが、その恩恵は一部の業種に集中しています。金融サービスやエレクトロニクス製品の再輸出は好調ですが、経済全体への波及効果は限定的であり、再輸出取引の利益率も高くありません」と、コファス 北アジア地域エコノミストの Junyu Tanは述べています。「主要な経済指標は改善しているものの、多くの企業は依然として厳しい事業環境に直面しており、支払行動にも引き続き圧力がかかっています。」

地域内の他市場と比べると、顧客の債務不履行の発生頻度や深刻度は相対的に低い水準にあります。しかし、香港の支払規律には悪化の兆候が見られ、回答企業の約4割が支払遅延の発生頻度と深刻度の双方が前年より悪化したと回答しました。これは、平均支払期間が73日と比較的長い環境下での結果です。

さらに、製品納入から代金回収完了までには平均144日を要しており、運輸、エネルギー、農業などのセクターではキャッシュ・コンバージョン・サイクルが160日を超えています。こうした状況を背景に、景気回復が進む中でも企業の見通しは慎重で、回答企業の半数(50%)が今後12カ月間で支払環境がさらに悪化すると予想しています。

取引関係を重視する企業文化が支払リスク管理にも影響

香港企業が支払遅延の要因として最も多く挙げたのは、顧客との関係の強さまたは戦略上の重要度(21%)で、マクロ経済環境(18%)、顧客の財務健全性・信用力(17%)を上回りました。この結果は、香港でのビジネスにおいて取引関係が重要な役割を果たしている一方で、買い手の支払能力に対する客観的な評価が後回しになる可能性を示唆しています。

こうした傾向を反映し、回答企業の73%が、長年の取引関係が支払遅延への許容度に影響すると回答しました。特に、エネルギー(83%)、自動車・モビリティ(83%)、運輸・物流(77%)、建設・不動産(71%)でその割合が高くなっています。ただし、「大きく影響する」と回答した企業は22%にとどまり、アジア太平洋地域平均の32%を下回るなど、関係性への依存度は地域平均ほど高くありません。

「長年にわたる取引関係は、香港でビジネスを行う上で重要な強みであり、企業が信頼する顧客に対して柔軟に対応する理由の一つでもあります」と、コファス香港 ゼネラルマネージャーの Chris Murphyは述べています。「しかし、信頼や過去の良好な支払実績だけでは、顧客の現在の財務状況を正確に把握することはできません。財務状況は、長年かけて築かれた取引関係よりもはるかに早く変化する可能性があります。支払遅延が常態化しつつある環境では、企業は信頼だけに依存するのではなく、タイムリーな財務情報と支払動向の継続的なモニタリングを組み合わせることが重要です。」

また、香港企業の83%は顧客の支払リスク評価に財務情報を活用しているものの、財務情報がリスク評価に強い影響を与えると回答した企業は35%で、アジア太平洋地域平均の43%を下回りました。さらに、データ分析を活用した体系的なリスク管理手法を採用している企業は14%にとどまり、地域平均の31%との開きが見られます。

支払環境の変化に追いついていないリスク管理の取り組み

香港企業の60%は、支払遅延の発生が広がる中でも、今後1年間は支払期間に大きな変化はないと見込んでいます。また、過去12カ月間で支払リスクへの警戒を強めたと回答した企業は32%にとどまり、アジア太平洋地域平均の48%を大きく下回りました。

こうした結果は、香港企業において、支払リスク管理をよりプロアクティブに進める余地があることを示しています。支払動向を継続的にモニタリングするとともに、支払遅延を早期の警戒シグナルとして捉え、債務不履行へ発展する前の段階で対応することが重要です。

コファス アジア太平洋地域(APAC)支払動向調査2026について

コファス アジア太平洋地域支払動向調査は今回で16回目を迎え、2026年3月から4月にかけて実施されました。香港の161人を含む、アジア太平洋地域10市場の幅広い業種に所属する2,800人の財務担当者を対象に調査を行っています。本調査では、企業間取引における支払慣行の変化や資金流動性への圧力、顧客の債務不履行、早期警戒シグナルなどを分析しています。また、支払リスクに対する組織の耐性向上に向けて、ガバナンス体制、データ分析の活用、エスカレーションの仕組み、顧客との関係構築に関する取り組みについても評価しています。

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