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困難が続く、建設・不動産セクター

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建設・不動産セクターは最も景気循環の影響を受けるセクターのひとつです。労働市場、商品価格、そして何よりもまず金利環境と信用供与の変化に敏感であり、現在、このセクターは緊張状態にありますが、2024年も状況が好転する見込みはなさそうです。

住宅メーカーに亀裂

 

住宅市場は需要と供給の両面で二重の制約に直面しています。特に住宅価格の上昇で家計に住宅を購入する余裕がなくなり、さらに金利上昇によって需要が急落している状況です。

これに加え、世界的な労働力不足が、2021年から2023年後半にかけて欧州企業が予定していた建設への最大の障害となっています。これは、パンデミック以前に比べて建設業の求人数が30%近く増加している米国や、2022年の調査によると建設会社の60%が労働力不足となっている日本でも同様です。

こうした供給サイドの問題と、過去2年間の急激な金利上昇によって、資材価格の上昇、賃金上昇圧力の激化、融資コストの高騰など、あらゆる面 で建設コストが上昇しています。

 

商業用不動産会社に試練を与える高金利 
 

業用不動産会社(主に工業用、オフィス用、店舗用などの非住宅分野)は、店舗用スペースの閉鎖やeコマースの加速によって困難な状況に陥っています。特に、オフィス分野では、作業スペースに対する需要の低下や変化をもたらしたハイブリッドワークへの適応が続いている状況です。

オフィスの空室率は、米国では2023年第1四半期に20.2%と15年以上ぶりの高水準となり、欧州では7.5%と2016年の水準に戻っています。

高金利は、不動産会社にとって様々な面で難題をもたらしますが、最も明白かつ直接的な影響は、不動産取引件数とその総額の両方における減速です。欧州の商業用不動産取引量は過去1年間で半減し、2010年以来の低水準となっています。これに加え、2つ目の要因は、過去2年間で急速に上昇している金利コストとなります。

 

2024年の展望:先進国では住宅価格が下落 
 

不動産市場は、高金利と限られた住宅供給という微妙なバランスを保ちながら推移しています。

住宅価格は金利の上昇に多少は適応したものの、(低い住宅ローン金利からの移行や、より低い価格での売却に消極的な売却希望者による)供給制約が持続しています。

2024年はこのダイナミクスの転換点になるはずで、先進国の大半(ドイツ34%、日本31%)では、買い手の視点から価格の下落が予測されます。

その一方で、商業用不動産における厳しい状況は、一部の企業は資産売却などの思い切った手段が必要となるかもしれません。2024年に向けて、商業用不動産価格はピーク時からすでに25%急落しています。特に、著名なビルが50%以上のディスカウントで売却される例が目立っており、現在の経済情勢の中で一部の企業が窮地に立たされていることを浮き彫りにしています。

2024年は、政策金利の低下が歓迎さる年となることが予測されます。このような背景で、既存債務の一部はすでに固定金利で固定され、新規融資の利ざやは過去10年以上で最低となっていることが懸念されます。

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建設セクターの地域別リスク評価

[1] Source: ECOFIN, Coface

[2] Source : Statista 

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