アジア企業支払い動向調査 2023

2022年は金融情勢の引締め、積極的な金利引上げ、そしてインフレ率の上昇が続く中、アジア企業は掛売り取引の支払い期間に対して厳しいアプローチを取った。コファスのアジア企業支払い動向調査によれば、掛売り取引を行う企業は減少し、平均支払い期間は2021年の71日から2022年には66日に短縮した。

2022年は金融情勢の引締め、積極的な金利引上げ、そして、イ ンフレ率の上昇が続く中、アジア企業は掛売り取引の支払い 期間に対して厳しいアプローチを取った。コファスのアジア企業支払い動向調査によれば、掛売り取引を行う企業は減少し、平均支払い期間は2021年の71日から2022年には66日に短縮した。調査対象となった13セクターの大半が与信条件を引き締め、中でもICTと建設セクターでは、投入コストの上昇、労働力不足、そして世界的な需要減退が財務状況を圧迫し、全てのセクターの中で最も支払い期間が短縮した。

平均支払い遅延は2021年の54日から2022年には67日となり、掛売り取引での与信条件が厳格化される中での支払い遅延 の長期化となった。調査対象の9カ国中6カ国が支払い遅延の長期化を記録し、中でもマレーシアが最も顕著であった。対照的に、香港、オーストラリア中国 では、支払い遅延が短くなったが、オーストラリアと中国の企業は引き続き平均支払い遅延がマレーシアに続き、2番目に長くなっている。

しかし、支払い遅延が長期化しても、180日を超える支払い遅延と定義される超長期支払い遅延(ULPD)を経験した企業は少なかったため、与信リスクの悪化を引き起こすことはなかった。また、年間売上高の2%を超えるULPDを報告している企業 の割合は、2021年の34%から26%に減少した。

コファスの経験によれば、ULPDの大半は支払われることはないため、ULPDをモニタリングすることは重要であり、ULPD が企業の年間収益の2%を超えると、キャッシュフローリスクは高まる傾向にある。今回の調査では、13セクター中2セクター(製紙と小売)のみで、ULPDを経験した企業の割合が前年度より増加している(2021年のそれぞれ22%と23%から 2022年には、2セクターとも29%に増加)。一方で、この割合が最も低下セクターは繊維で、2021年の38%から2022年には14%に低下した。

現在進行中の地政学的・経済的課題にもかかわらず、アジ ア企業は来年の成長見通しを楽観視しており、回答者の 77%が2023年の経済成長は改善すると見込んでいる。経済活動の活発化への期待から、2023年の売上高の増加とキャッシュフローの改善を期待する回答者の割合が高まった。コファスは、2023年のアジア新興国のGDP成長率は若干伸びると予測しているが、同時に、エネルギー価格を筆頭とする商品価格の上昇、金利の上昇、金融情勢の引き締め、世界的な貿易需要の低迷が、今年も企業活動の主な抑制要因になると予測している。

コファスの「アジア企業支払い動向調査 2023」は、2022年11 月から2023年4月にかけて実施されたもので、調査対象は、アジア・パシフィック地域の9市場・13セクターで、2,300社以上から回答を得ている。

Authors and experts

  • 小川 のりこ

    マーケティングマネージャー