2022.06.22
経済関連出版
コファス・バロメーター2022年第2四半期

ウクライナでの戦争が始まって早4ヶ月、継続するこの戦争が、世界経済のバランスを崩していっていることをすでにコファスでは学ぶこととなった。短期的には、この戦争が、2年間のコロナ禍によって既に損害を受けている生産システムの緊張を悪化させ、世界経済のハードランディングのリスクを高めている事がわかる。数週間前には世界経済はスタグフレーションの脅威に直面していたかのように見えたが、インフレの加速に際して中央銀行の対応の変化が、特に先進国では、不況の見通しを復活させた。
このような複雑な環境の中で、コファスは欧州諸国(特にドイツ、スペイン、フランス、英国)16カ国を含む19カ国のカントリーリスク評価を下方修正し、上方修正は2カ国(ブラジル、アンゴラ)のみであった。セクターに関しては、地域における下方修正の件数(9部門の上方修正に対し、下方修正は76部門)を見ると、エネルギー集約型の部門(石油化学、金属、製紙など)とクレジット・サイクルにより直接的に関連する部門(建設)の両方を含む、すべての部門に渡ってこうした連続的なショックが広がった事が浮き彫りとなった。
見通しが暗くなるにつれて、必然的にリスクは下がり気味となり、どのようなシナリオも起こりうる状況となっている。