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2022.06.29
経済関連出版

アジア企業支払い動向調査2022年

アジア企業支払い動向調査2022年

2021年は、新型コロナウイルスの変異株の新たな大流行の中で、景気回復が足踏み状態となったことが特徴だが、アジア・パシフィック地域の企業は取引先に対する支払い期間に柔軟な姿勢を崩さなかった。2022年アジア企業支払調査によると、取引をより長い支払い期間で行う企業が増えたことで、平均支払い期間は2020年の68日から、2021年には71日に増加した。13部門のうち、衣料・繊維とエネルギーのみが支払い期間の短縮を報告したが、これは特にエネルギーと衣料・繊維の投入価格が上昇したためであり、これらは2部門に対し、より大きなコスト圧力をかけている。
2021年の経済状況の改善により、アジア・パシフィック地域全体の支払い遅延日数は2020年の平均68日から2021年には54日となり、5年ぶりの低水準にまで大幅に減少した。支払い遅延を経験した回答企業の割合は、前年の65%から64%へとなり、安定している。対象9カ国のうち、最も支払い遅延の短縮がなされたのはマレーシアとシンガポールであった。しかし一方、中国は支払い遅延が増加した唯一の国であり、平均支払い遅延期間も最も長かった。
だが、この調査はいくつかの懸念材料を浮き彫りにした。今回の調査で支払い遅延額が増加したと答えた企業の割合は、2021年には前年の31%から35%へと増加した。さらに、より多くの企業が、年間売上高の10%を超える超長期支払い遅延(ULPD-ultra-long payment delays)を報告している。この増加は主に中国で見られ、2020年の27%というすでに高いシェアが2021年には40%に増加している。ULPDの割合は、オーストラリアとインドではわずかに上昇したが、他の6カ国では安定もしくは低下し、香港では大きく低下した。ULPDの大半が支払いのなされないもののため、これらのULPDが企業の年間売上高の2%以上を占める場合、キャッシュ・フローのリスクが増加する傾向にある。
回答企業の大多数が経済の見通しについて楽観的な見方を示し、71%が2022年の経済成長は改善すると予想しているが、しかし、成長に対する下方リスクは高まっている。サプライチェーンの混乱の継続、地政学的な緊張の高まり、商品価格の上昇、金利の上昇は、より多くの企業の業績見通しを引き下げ、来年の売上高とキャッシュフローの改善を期待する回答企業は減少した。
コファスのアジア企業支払動向調査2022年は、2021年11月から2022年2月の間に実施された。アジア・パシフィック地域の9カ国、13部門を対象とし、約2,800の企業の支払動向と与信管理慣行のインサイトを分析した。

 

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