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2023.05.23
経済関連出版

中国企業支払動向調査 2023年:支払遅延期間は短縮された一方で 化学・木材セクターの信用状況が悪化

China Payment Survey 2023: Shorter payment delays but worsening credit conditions

2022年、中国 において大幅な景気減速と厳しいコロナ対応が実施された。流動性の逼迫と移動の制限によって決済プロセスが混乱に直面し、中国企業は与信条件の提示 に対してこれまで以上に柔軟性を示した。コファスの2023 年中国企業支払動向調査によると、平均支払期間は2021 年の77日から2022年の81日へと増加した。

 

与信期間が長くなることにより2022年の支払遅延の発生件数の減少につながった。回答した1,000社のうち、40%が延滞を経験したと回答したものの、2021年の53%から減少した。この割合は過去5年間で最小となった。延滞の主な理由は、取引先の財政難である。この原因は競争によるマージンの圧迫や、最近では原材料価格の上昇があげら れる。また、2022年の平均支払遅延日数は、86日から83日に短縮された。セクター別では、農業食品セクターが平均支払遅延日数を23日短縮し、全セクターの中で最大の短縮となったが、他セクターと比較して、与信期間が最大で延長されたことも影響している。次いで繊維が2番目に長い与信期間の延長となっている。

 

主に国内市場に依存する小規模企業(売上高500億人民 元未満)の多くが、延滞金額が増加したかどうかの質問に 対して、その割合は低下した(42%→21%)と回答した。2022年12月から2023年3月にかけて実施された調査では、年間売上高の2%を超える6カ月以上の支払延滞である超長期支払遅延(ULPD)に直面する企業が減少したことも示された。このような遅延に言及した回答企業の割 合は、2021年の64%から2022年には36%に減少した。コ ファスのこれまでの分析ではULPDの80%は支払われな いとされており、この低下はキャッシュフローリスクの減少を示唆している。

 

しかしながら、このリスクはセクターによって異なる。 化学セクターは、回答企業の3分の1強(34%)が売上高の10%を超える ULPDを報告しており、資金調達リスクに対して最も脆弱であるように見えたが、これはエネルギーや原材料価格の上 昇、ロックダウンによる生産の混乱、需要の低迷がこのセク ターの流動性状況を圧迫したためで、2021年の26%から上 昇している。木材セクター についても上昇傾向が見られ、その割合は2021年の0%から2022年には20%に増加した。

 

パンデミック、およびその後のロックダウンは、2022年のビ ジネスに影響を与える要因のトップであった。中国政府がゼロ・コロナ政策を終了したことで、売上とキャッシュフロー の改善を期待する回答企業の割合が増加し、2023年の中国のビジネス経営環境について楽観的であることが示され た。

 

調査レポートの続きをぜひご覧ください。

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