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2020.10.22
カントリーリスク&経済レポート

COVID-19が政治的リスクを促進

COVID-19が政治的リスクを促進

コファス第3四半期バロメーターでは、年に1回更新されるコファス政治リスク指標を発表している。指標では、グローバルレベルでの紛争リスクの減少と、政治的・社会的脆弱性リスクの増大という二つの動向に注目している。後者のリスクは、COVID-19パンデミックの影響を最も受けた諸国で悪化している。

 

今回のバロメーターの予測については、前四半期と同じく不確実性が非常に大きい。主に世界の保健状況に関連して不確実性が存在する。6月以降、パンデミックの拡大が続いている。ワクチンや治療法の確立を待つなかで、ロックダウン期間中の制限により、また先行きを警戒して、企業と家計は支出や投資プロジェクトを見合わせている。

 

コファスは、2020年の世界の経済成長率は-4.8%となり、その後回復して2021年は4.4%となると予想する。ユーロ圏と米国のGDPは、それぞれ2019年を3.5ポイントと2ポイント下回るだろう。危機前の生産水準に戻るまでに少なくとも3年はかかる。世界貿易の回復も同様に部分的にすぎないだろう。コファスの予想では2020年が-13%となり、2021年は+3.5%となる。

 

このような危機前と比べて低調な経済活動が継続すれば、貧困、所得格差、そして社会の不満を増大させると見込まれる。

 

今回のバロメーターでは、年に1回更新されるコファスの政治的リスク指標を公表している。指標ではCOVID-19パンデミックが人類や経済に及ぼす影響に加え、この政治的リスクを悪化させる程度が示されている。政治的リスクの測定に用いられる従来の指標に加え、コファスは2020年、政府機関による健康危機の管理に関する世論を評価するパンデミックエクスポージャー指数を取り入れた。COVID-19に関連する不満は、市民の不安を高めるほか、香港、フランス、チリなどで見られるような、COVID-19以前から引き継がれた社会ムーブメントを拡大させる可能性がある。

  • 先進国では、健康危機管理についての世論の不満度はスペイン、米国、英国、フランスで最も高かった。
  • 新興世界では、イランとトルコが、社会的リスクが最大の国に分類されている。ラテンアメリカの諸国(ブラジル、メキシコ、ペルー、コロンビア)及び南アフリカは、政治的・社会的リスクが高く、またCOVID-19危機へのエクスポージャーが大きい。

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