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2019.06.26
カントリーリスク&経済レポート

天然ガス:ブームと暗い見通しの間で揺れ動く

Natural gas: an oscillation between boom and gloom

最近まで、天然ガスは化石燃料の中で「最もクリーン」だとされ、あらゆる指標が需要と生産の伸びを示していた。

しかし、市場の展開は速く、再生可能エネルギー源の人気が増し、経済的に実行可能な代替エネルギー源となってきている。

 

 

 

天然ガス― 輝かしい勢い

国際エネルギー機関によると、天然ガスは2006年以来、すべての化石燃料の消費量において、最も高い増加率を見せてきたという。天然ガスの需要は、主にアジアでの需要増によって、そしてなかでも「青空」政策で厳しい大気質の目標と石炭からガスへの義務的な切り替えを課す中国での需要増によって、増え続けるものと思われる。

ガスは、その豊富さ、多用途性、そして他の化石燃料より汚染が少ないことから、エネルギー生産の実用的手段であると考えられている。石炭に比べて、天然ガスは、二酸化炭素(CO2)、粒子状物質(PM2.5)、二酸化硫黄(SO2)、窒素酸化物(NOx)の排出量が40%少ない。迅速で信頼し得るバックアップを必要とし、一時的に止まることも多いソーラーパネルや風力発電基地などの再生可能エネルギーを補完するのに最もよく使われるのが天然ガスである。

天然ガスはまた、特に石化製品の原料として、エタンの形で産業プロセスに組み込まれもする。化学産業で使われる化石燃料の約29%は天然ガスと関連の液体である。

 

しかし、霞がかかった未来

天然ガスは石油や石炭よりも燃やした際の排出が少ないが、決してクリーンなエネルギー源ではなく、地球温暖化のリスクを減らしはしない。また、シェールガスの抽出は汚染度が高く、大量の水を必要とするとともに、岩を砕くために土壌に化学薬品を注入しなくてはならない。この水圧破砕技術は水道水を汚染し、地域の安全な飲み水へのアクセスを脅かしもする。

さらに、再生可能エネルギーが天然ガスより安価になりつつある。国際的な金融グループであるLazardの最新のエネルギー・コスト分析(LCOE)によると、助成金を受けていない風力エネルギーは既に、天然ガスからの最も安価な発電方法との競争に勝てるようになっているという。また、天然ガスの価格は変動が激しく、意思決定のプロセスに不確実性を増やす要素となっていることも忘れてはならない。

最終的に、蓄電の技術的な進歩を考えると、ガスを再生可能エネルギー源による発電を補佐するものとして使うというのが最終段階となるのだろう。設計・エネルギー会社Wood McKenzieによると、2018年、蓄電容量(GW/h)は140%増加し、倍以上になったという。自動車製造のTeslaは既に、オーストラリアで、Hornsdale風力発電基地にリンクした電池貯蔵システムのテストに入っている。技術はまだ初期段階ではあるが、多くの関係者や各国政府は、スウェーデンのNorthvoltのような大きな電池貯蔵企業をそれぞれ開発したいと強く考えている。Northvoltは欧州最大の電池製造企業になることを目指している。

天然ガスの未来はまだ明るいが、長期的には、地球を救う上でより大きな力となる他のエネルギーの余地があり、その未来は脅かされるだけでは済まない。

 

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