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2014.06.25
カントリーリスク&経済レポート

トルコ経済 ― 2014年予測

The Turkish economy - what to expect in 2014

 

- 2014年の対外債務は、成長減速に伴い縮小する見込み

- インフレ率は、リラ下落と食料価格の高騰により、中央銀行の年末時点での予測を超える

- 政治的リスクについては今後も注意が必要

- 全世界的にリスクは悪化。例外は輸出志向の工業部門

 

 

2014年はコーポレートリスクに悪化の兆し

 

2013年、トルコ経済は好調な国内需要に支えられて4%という力強い成長を記録した。同国の年間成長率に対する貢献度を見ると、消費及び投資支出がそれぞれ3.7ポイント、1.1ポイントとなっている。だが、好調な国内需要により輸入が増えたため、純輸出は2.3ポイント成長率を引き下げている。食料価格の高騰と好調な国内消費、さらには2013年度末のリラ相場の急落により、インフレ率は7.4%に上昇し、中央銀行の目標であった5%を上回った。

 

2014年8月には大統領選挙を控えているため、コファスでは、トルコにおけるコーポレートリスクを慎重に評価している。12月・1月に見られたように政治的緊張が再び高まれば、投資家がトルコから逃避する可能性があり、外為市場の不安定化につながりかねない。こうした状況は、すでに記録的な高さにある企業部門の対外債務残高に悪影響を及ぼすだろう。

 

                                               成長への寄与度(%)

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 2014年には成長が鈍化すると予想されている。高金利と、融資の行き過ぎた拡大を抑制することを狙った制限によって、国内需要が減速するためである。経済の減速に合わせて、失業率は短中期的に上昇すると見られる。12月~1月にかけてのリラの急落は、借入コストの上昇と相まって、製造コストの上昇と利益率の低下という形で民間部門にリスクをもたらした。

 

 

以上のような要因を考慮して、コファスは3月、トルコのカントリーリスク評価「A4」をネガティブウォッチとした。

 

コファスにおいてMENA(中東・北アフリカ)担当エコノミストを務めるSeltem Iyigunは次のように語っている。「こうした条件のもとでは、主として国内需要に依存して活動している産業のリスクが高まるだろう。輸出志向の産業は、トルコの主要な貿易パートナーである欧州の景気回復とリラ安の恩恵を受けて、より有利な状況に置かれるだろう

 

 

  •  建設部門:第1四半期のデータは堅調。しかし住宅需要は減速している。

 

国内需要の減速と金利の上昇が建設部門に悪影響をもたらすと予想されている。第1四半期、住宅販売は2013年同期比でマイナス6%と、予想よりも踏みとどまった。だが同じ時期に、住宅ローンの利用により購入された住宅の比率は30%減少した。短中期的には、金利の上昇が住宅販売を圧迫する可能性がある。ひいてはこれが、建設部門と密接な関係にあるセメント、金属、鉄鋼、白物家電といった産業に悪影響を及ぼすと予想される。

 

  •  繊維・衣料品部門は、リラ安及び欧州顧客の回帰に支えられる

 

リラ下落は繊維・衣料品部門にとって競争優位となっている。競合国に対して製品の競争力が増していくからだ。すでに、これらの部門は主要顧客である欧州諸国との近さ、強力な生産能力、莫大な機械設備という優位を享受している。暫定的なデータでも、欧州の景気回復によって、同地域に対するトルコの繊維・衣料品輸出が伸びていることが窺われる。米国と欧州連合が貿易投資パートナーシップ協定の調印を検討しているなかで、トルコの生産者としては東欧への投資が適切な戦略となろう。これによって、関税を免除される条件で米国への輸出が可能になるからである。2014年については、輸出によって国内需要の減速を相殺することになろう。ただしこれらの部門にとっては、為替レート及び原材料価格の変動が引き続きリスクとなる。これらの産業の中長期的な改善のためには、その中心的な要素として、ブランド構築と研究開発への取り組みを検討していく必要がある。

 

  •  自動車部門:国内販売は減少、輸出重視へ。

 

消費者向け融資の制限、増税、リラ下落は、自動車産業の国内売上高に打撃を与える可能性が高い。1~4月の小型商用車・乗用車の売上高は2013年同期に比べ25.5%減少した。だが欧州市場の景気回復とリラ安が輸出の追い風になると予想されており、前年比で4%の伸びを見せている。税負担が多少なりとも軽減されれば、自動車産業は国内市場の大きな潜在需要をもっと活かせるだろう。税負担の軽減は輸出業績の改善という点でも重要な要因である。

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