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2016.06.17
カントリーリスク&経済レポート

北ヨーロッパの企業倒産動向:オランダ、スウェーデン、ドイツで明るい傾向が見られる

Picture of different transports
  • コファスでは、2016年に企業倒産件数の減少を予想している:オランダは11.1%減、スウェーデンは8.0%減、ドイツは2.5%減
  • ただし、GDP成長率の微減に伴い、減少のペースは2015年より鈍化
  • デンマーク:企業倒産件数が60%以上の顕著な増加を示す見込み
  • ドイツ:企業倒産件数は2010年以降、一貫して減少。現在、2009年に比べて30%減

 

2016年、4カ国のシナリオは2つに分かれる

 

欧州のマクロ経済状況が改善されたことで、ほとんどの欧州諸国の企業にとって好影響が表われ、コファスが新たな「パノラマ」で注目する北ヨーロッパ4カ国では2015年の企業倒産件数が減少した。すなわち、オランダ(20.7%減)、スウェーデン(11%減)、ドイツ(4%減)、デンマーク(0.5%減)である。こうした明るい傾向は、これら諸国のほとんどのセクターに見ることができる。ただしデンマークは例外で、セクターごとの傾向には差異が大きい。これら諸国を通じて、倒産件数全体に占める比率の点でも、また経済活動に占める比率の点でも、かなり多くの企業倒産が見られたのは、貿易、輸送、ホテル、建設セクターである。対照的に、製造業における企業倒産の頻度は低い。

 

今年に入って、これら4カ国で平均GDP成長率がやや低下していることを背景に、企業倒産件数の減少傾向は、4カ国のうち3カ国では継続するはずだが、減少ペースは低下するだろう。倒産件数が最も大きく減少すると予想されるのはオランダ(11.1%減)で、スウェーデン(8.0%減)、ドイツ(2.5%減)が続く。だが、デンマークは対照的な様相を呈している。すでに2015年の時点で、デンマークは企業倒産件数の改善がわずか0.5%減に留まり、「最も弱い」パフォーマンスだった。今年、デンマークの企業倒産件数は60%以上もの顕著な増加を示すと予想されている。

 

最近の四半期にマクロ経済状況が改善されたことで、分析対象とした4カ国以外の他にも、欧州諸国の多くで企業倒産件数の改善傾向が見られる。企業倒産件数はフランス(3.2%減)、イタリア(5%減)、スペイン(22%減)でも減少すると予想されている。

 

ドイツ:企業部門の健全な構成

 

2015年のドイツの企業倒産件数は、1999年に新たな倒産制度が施行されて以来、最低の水準となった。昨年はさらに4%前後の減少を見せたことで、倒産件数は2万3000件にまで低下した。倒産件数は2010年以降、一貫して減少を続けている。昨年は2009年(金融危機と世界貿易の急減による企業倒産のピーク時)よりも約30%少ない水準に達した。ドイツにおけるマクロ経済の枠組みは堅実であり、企業部門の健全な構成にもそれが反映されている。

 

昨年はドイツのほぼすべての企業部門において企業倒産件数の減少が報告されている。唯一の例外は金融・保険部門で、企業倒産件数が5%以上増加した。倒産件数の減少傾向が特に顕著だったのは情報通信(11.1%減)、農林水産(9.1%減)である。また、貿易、輸送、ホテルは伝統的に倒産件数が多い部門だが、ここでも倒産件数はほぼ6%減少した。産業界全体としては、建設部門を除き、昨年の倒産件数は4%以上減少した。鉱業・採石部門では企業倒産件数が40%以上も増加したが、絶対数としては、2015年の件数はわずか10件だった。

 

コファスの分析からは、今年、ドイツ企業の倒産件数は小幅ながらも減少を続けていることが分かる。この予測を裏付けるように、今年1~2月の企業倒産データでも倒産減少傾向は鈍化している。2月までに記録された企業倒産件数は、累計で「わずかに」2.3%の減少となっている。ドイツの企業倒産件数に関するコファスの予測モデルによれば、前年比で見た企業倒産件数の変動は、今後数ヶ月のあいだ、この水準を軸に推移するだろう。したがって、2016年通年では、ドイツにおける企業倒産件数は2.5%減少になると予想される。

 

オランダ:マクロ経済シナリオが改善

 

昨年、オランダにおける企業倒産件数は、約21%と顕著な減少を示した。これは、2014年の企業倒産件数20%減少に続き、明るい傾向が続いていることを示している。この企業倒産件数の減少は、明らかに、オランダ経済のマクロ経済シナリオが大幅に改善されたことを反映している。結果として、2015年の企業倒産件数は、2013年に比べて37%減少している。2015年を通じて、企業倒産件数はほぼすべてのセクターで減少した。例外は、文化・スポーツ・娯楽セクターである。

 

企業倒産件数が最も大きく改善したのは製造業及び専門サービスである。この両セクターでは企業倒産件数の約30%減少を記録した。経済全体の平均をはるかに順調な改善である。また、オランダの不動産市場でも企業倒産件数の大きな改善が実現し、不動産セクターの企業倒産件数は約25%の減少と平均を上回った。建設セクターの企業倒産件数は約18%減少した。オランダにおける企業倒産は4つのセクターにかなり集中しており、合計すると全体約70%を占めている。そのなかには貿易、輸送・ホテルセクター、金融サービス、専門サービスが含まれており、サービスセクターが企業倒産件数で上位を占めている。

 

2016年1~3月、オランダでは引き続き企業倒産の減少傾向が強く見られた。3月までの累積では、企業倒産数件数は19.4%減少しており、ここ数年の記録に比べてわずかに劣る程度である。ただし今後数ヶ月については、オランダの企業倒産件数の減少傾向は弱まるとコファスでは予測している。コファスの予測モデルによれば、2016年通年での企業倒産件数は11.1%の減少になると思われる。

 

スウェーデン:中央銀行が住宅・建設セクターにテコ入れ

 

2015年、スウェーデンの企業倒産件数は2年連続で減少した。減少幅は11%と大きく、2014年の減少幅(6.3%)よりもさらに顕著である。したがって、企業倒産件数は、2013年のピーク時よりも約17%減少したことになる。とはいえ、この水準は、グローバル金融危機以前の2007年の記録よりもまだ約13%高い。改善が最も顕著であるのは17%減少の建設セクターで、これは住宅・不動産セクター全般の状況が大きく改善された結果である。住宅投資は2015年に17%という印象的な成長を示した。この成長は明らかに、スウェーデン銀行による金融緩和政策の拡大に支えられている。

 

製造業セクターの企業倒産件数の減少も、スウェーデン経済全体の平均に比べて際立っている。スウェーデンのさまざまなサービスセクターは後れを取っており、企業倒産件数の減少は平均より緩やかである。貿易セクターでの減少は「わずか」4%である。ホテルセクターは6%の減少となっている。金融、不動産、賃貸セクターは9%の減少を記録している。サービスセクター全体での企業倒産件数の減少ペースは遅いが、最も重要なサービス各セクター(貿易、ホテル、金融、不動産、賃貸その他)における企業倒産件数は、スウェーデンにおける総件数の約52%を占めている。さらに、経済に占める比重を考えた場合、その重みは過大評価されている。同じことは建設セクターについても該当し、企業倒産件数に占めるシェアは16%を超えているが、経済に占める比重は6.5%である。逆に、製造業セクターにおける企業倒産件数は総件数の約6%だが、経済に占める比重は16.8%である。

 

今年に入ってから3月まで、スウェーデンにおける企業倒産件数はさらに10%減少した。コファスの予測では、今後数ヶ月にわたって、企業倒産件数の改善はさらに減速し、約8%程度になると思われる。

 

デンマーク:企業倒産件数の増大は主として小企業

 

デンマークの企業倒産件数は、昨年、わずか0.5%しか減少しなかった。したがって、一見したところ、デンマークは北欧の中で最もパフォーマンスが低いように見える。だが、以下の理由から、このような評価を下すには注意が必要である。第一に、デンマークにおける企業倒産件数は、2010年から減少傾向を示してきた。第二に、企業倒産件数自体は、2010年のピーク時に比べて約38%少ない。したがって、昨年のデンマークにおける企業倒産水準は非常に低い。分析対象とした他国の経済と比べ、2015年の企業倒産におけるセクター別の傾向はきわめて入り組んでいる。変動は、金融・保険セクターにおける25.4%減少から、競争激化、深刻な債務負担、資金調達の困難による強い圧力に苦しむ農業部門の50.9%増加までさまざまである。他の重要部門、すなわち製造業、貿易、輸送及びホテルでは、企業倒産件数が5%以上増加している。

 

2016年1~4月、企業倒産件数は急増し、累積で約83%増加となった。特に1月には企業倒産が急増した。このところの企業倒産データがこれほど急激な上昇を示している理由を詳細にわたって把握することは困難である。この動きのかなりの部分は、特定されていない下位セクター(「その他の事業」及び「活動内容の表示なし」)における企業倒産の増加が大きいことによるものであろう。これらの(主としてフリーランスの)事業を除外する場合でも、企業倒産件数は約70%増大しており、あらゆる下位セクターで増加が見られる。

 

ただし、デンマークの企業倒産統計に関しては、ある程度の違いを考慮に入れる必要がある。増加は主として、付加価値税未登録企業(約130%増加)及び売上高100万デンマーククローネ以下の企業(約140%増加)に関するものである。逆に、もっと売上高の大きい企業について2016年1~4月の倒産件数を見ると、累積ベースで、売上高100万~1500万デンマーククローネの企業では0.2%減少、売上高1500万デンマーククローネ以上の企業では61%の減少となっている(絶対数では、わずか28件)。

 

今後数ヶ月のあいだに、企業倒産件数の顕著な増加はやや緩和されるものと予想される。とはいえ、コファスの予測モデルによれば、通年では、企業倒産件数は64%以上増大すると予想される。これは主として、2016年の最初の数ヶ月に関してすでに入手可能なデータに見られるように、活動の低調な企業及び小企業によるものである。

 

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  • Northern Europe region: Insolvencies continue their downwards trend in 2015
  • Germany: low-bankruptcies in 2015
  • The Netherlands: Pressure on insolvencies
  • Sweden: Manufacturing and construction top
  • Denmark: Decline in insolvencies in 2015
  • Insolvencies in the Northern Europe Region 2016: a mixed picture
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