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2017.01.26
カントリーリスク&経済レポート

2017年:新興市場国においては、政治的・銀行リスクの年

2017: A year of political and banking risks for emerging countries

最近の景気回復にもかかわらず、今年も世界の経済環境は引き続き見通しが不透明である。

 

世界経済に保護貿易主義の脅威

 

世界の経済成長が二年連続で減速を記録した後で、2017年の見通しは2.5%から2.7%へと、幾分改善するだろう。これをけん引するのが新興市場諸国における景気の回復(4.1%の成長)であり、ブラジルとロシアにおける回復が中国の景気減速を相殺するものと見られる。先進国経済は、1.6%と安定した成長を見せるだろう。

 

国際貿易の伸びの低迷(2008年から2015年までの平均2.2%、2002年から2007年までの平均7.0%と比較して、2017年には2.4%と予測される)に、さらにドナルド・トランプの当選により、保護貿易主義的施策の復興が加わる可能性がある。短期的には、これらの施策が景気サイクルの終わりにアメリカ経済に及ぼす影響は、中央アメリカ(特にホンジュラス、エルサルバドル、メキシコ、エクアドル)や一部のアジア諸国(ベトナムやタイなど)のように米国に多くの輸出を行っている諸国と比べれば、少なく抑えられる(+1.8%)。

 

メキシコが米国への輸出に強く依存している(GDPの7%を占める)状況を考え、インフレの上昇と投資の減少を背景に、コファスはそのカントリーリスク評価をBに引き下げる。一方アルゼンチンは「トランプ」効果の影響が比較的少なく、困難な一年を経た後、その改革の恩恵を受け始める頃だろう。したがってコファスは、アルゼンチンのカントリーリスク評価をBに引き上げる。

 

2017年には世界的な政治的リスクが記録的に高まる

 

2017年の主な懸念は引き続き政治的リスクとなる。

 

先進国においては、最大の政治不安に直面しているのは、数多くの情勢を左右する重要な選挙が控えており、さらにブレグジットの詳細も決定するヨーロッパである。昨年を通じて、コファスのヨーロッパにおける政治的リスク指標は、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン及び英国の平均で13ポイント上昇した。この上さらに、英国の国民投票のような大きな政治的「事件」が起きるようなら、ヨーロッパの経済成長は平均で0.5ポイント減速する可能性がある。

 

新興市場諸国の政治的リスクも、社会的不満と高まる安全保障リスクによって、かつてないほど高まっている。主な新興市場経済のうち、CIS諸国(2016年には100%のうち63%のスコアを記録したロシアが原因)と北アフリカ/中東地域(トルコとサウジアラビアがいずれも62%)のリスクが最大となっている。南アフリカにおける政治的・社会的不満の高まりを理由の一つとして、低成長にあえぐ南アフリカの評価はCへと格下げになった。

 

テロ攻撃、紛争、殺人事件なども含む安全保障リスクは、台頭する政治的リスク指標における新たな要因である。当然ながら、これらが最も高いのはロシアとトルコである。

 

信用リスク:高水準の企業の負債が新興市場諸国の銀行セクターの脅威

 

これらの信用リスクの高まりは、国によって異なる形をとって現れるものと思われる。

 

企業倒産件数の水準は、先進国経済では引き続き低下する。一方で否定的な一面としては、起業数がほとんどの場合で危機前の水準を下回っていることである(2015年と危機前のピークとを比較して、ドイツでは-19.8%、米国で-5.1%、そしてイタリアでは-4.1%)。重債務企業に対する貸し付けが、急成長している若い企業が入手できるリソースを圧迫している。

 

企業の抱える巨額の借金もまた、新興市場諸国の直面する問題の一つである。中国企業の債務レベルが最も高く(GDPの160%を超える)、この債務は2015年第2四半期から2016年第2四半期の間に12GDPポイント拡大した。銀行セクターにおける不良債権の割合は、ロシア、インド、ブラジル及び中国で急激に増大しており、信用状態は厳しくなっている。

 

ヨーロッパとサブサハラ・アフリカの格上げ

 

コファスのカントリーリスク評価において、格上げが格下げを上回ったのは2015年半ば以来である。

 

スペインA3へ、アイスランドキプロス(資本規制に関するリスクが減少)はそれぞれA2及びBに格上げとなった。コファスが評価を行っている160の国の中でも、中央ヨーロッパ諸国は引き続きランキングを上げている。エストニア(A2)セルビア(B)及びボスニア・ヘルツェゴビナ(C)はいずれも、事業環境が改善し、これらの諸国の成長は安定水準に達しつつある。ブルガリア(A4)は、経済の安定成長と銀行セクターの統合が進んでいることにより、回復を軌道に乗せた。

 

サブサハラ・アフリカにおいては、大規模経済よりも小国の方が経済が潤っている。同地域のトップ2は、12月に民主主義の成熟が証明され、国家財政の管理が安定した水準に達したガーナ(B)、そして観光がブームとなり公共投資が拡大しているケニア(A4)である。

 

MAJEN[1]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パノラマ:「不確実性にもかかわらず経済は好転」をダウンロード

 

  • World Economy: after a tumultuous 2016, a slight improvement in 2017
  • Persistent clouds on the horizon for 2017: details of Brexit and US policies
  • Political risk in 2017: possibility of storms
  • Emerging countries: duos to monitor

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