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2017.03.14
カントリーリスク&経済レポート

中国の長期及び近年にわたる不確実性-中国企業への影響は?

RMB depreciation, capital flow measures and new monetary stance: What are the implications for Chinese corporates?

人民元の潜在的な下落は、資本取引規制の実施と相俟って、中国にとって長期にわたる懸念事項となっている。

 

最近では、年初に発表され、全国人民代表大会に繰り返された同国の新たな「慎重で中立的」な金融政策が注目を集めている。
 

将来的には、中国銀行は米国と中国間の実質金利格差に対応する際に静観するアプローチをとるものと思われる。これは特に、FRBの金融政策が、税務政策、通商政策及びインフラ投資に関して米大統領ドナルド・トランプの政権に更に注目されるためだ。

 

米国の影響にかかわらず、中国銀行は、主に金融リスクと資産のバブルを抑制するために、2017年に期待される金利コリドーを20~30bpまで上方移行させることで、その金融政策を徐々に引き締めることが予想されている。これは、中国企業にとって借入コストの上昇と場合によっては長年懸案とされた企業のレバレッジ解消を促進することになると予想されている。また、これは特に財務基盤の弱い中国企業にとってより高い信用リスクを示唆するだろう。

 

中国当局の実施する慎重な金融政策と資本取引規制により、人民元は、2017年末までに3~5%のやや緩やかなペースで下落し続ける見込みである。そのため、中国からの資本流出は持続するものと思われる。

 

中国銀行の人民元指数の重視は、人民元/米ドルの為替レートの変動性に対するより高い許容度を示し、中国の輸出量の高まりに対する人民元下落の好影響を抑制するものと思われる。また、輸入コストも徐々に増加する見込みである。これは、生産が輸入品に大きく依存する中国企業を圧迫するだろう。

 

要約すると、大半の中国企業が、(金利コリドーの上方移行の最中に)借入コストの上昇と(外国企業へのより多くの産業の開放により)増加する市場競争により、困難な年を迎える見通しである。一部の企業は、人民元の下落により、輸入コストの上昇に直面する可能性がある。(貿易保護主義により妨害されない場合)外需の回復がクッションになる可能性はあるものの、これらの要因はすべて、中国企業の収益性を圧迫するものと思われる。

 

COFACE ECONOMIC PUBLICATIONS

 

 

FOCUS: 

"RMB depreciation, capital flow measures and new monetary stance

What are the implications for Chinese corporates?"
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