ニュース・レポート
2013.07.02
カントリーリスク&経済レポート

コファスの世界のGDP成長見通し

新興市場:弾性的な活動、但し成長は構造的弱点で覆われている。

新興市場は今年も力強い成長を記録し続けるであろう。我々は一旦、昨年よりもややより高くなることさえ期待した。しかし、大半の主要新興市場では、成長がその危機以前のレベルよりも低くなるであろうことが判明しており、我々はいくつかの国に対する2013年度見通しを引き下げた。こうした状況を背景に、我々の2013年度GDP成長見通しは、中国で8.0% (2012年度は7.8%)、インドで5.5% (4.0%)、ブラジルで2.8% (0.9%) そしてロシアで3.0% (2012年度は3.4%) である。

 

この背後には2つの主な論拠がある。第1に、一部の大新興市場は、その成長潜在力を制限しているインフラの弱点に苦しんでいる (例えばインドとブラジル)。これに加えて、成長は、過去数年間に亘る、大部分の大新興市場の民間部門に対する高い信用の伸びによって部分的に駆動されて来た。その結果、民間部門の債務は現在、一部の国において比較的高くなっている。韓国と南アフリカにおける家計債務はこのことを良く例証しており、企業債務のレベルは中国とブラジルで高くなっている。もし、インフラの弱点と高い民間債務の両方が結び付けば、インフレ率は比較的高くなりがちである。このことは、たとえ成長が減速したとしても (ブラジルや南アフリカにおけるように)、中央銀行が金利を引き下げることを困難にしている。

 

地域ベースでは、成長は日本を除くアジアで高水準に留まるであろう。フィリピン (GDP 成長率は今年 6.5%と予測されている) とインドネシア (同じく6.5%) は、最先進国へのトレード・エクスポージャーが比較的低いのに加えて、とてもダイナミックな国内需要の恩恵を受けている。マレーシアとタイは、最近の拡張的財政政策の追い風を受けている。成長率は2013年に5%近くに達するであろう。しかし、我々は韓国の成長見通しを2.5%に引き下げた: 製造業部門は過去数ヵ月間におけるウォン高(特に円に対する)に苦しんで来ている。 その上、民間消費と建設投資が、きわめて高い家計債務の対GDP 比率 (2012年第3四半期にGDPの89%) によって制約されている。韓国に加えて、タイ、マレーシア、中国、シンガポールおよび台湾においては、総信用残高の対GDP比と信用の伸び率の両方とも高い場合には、信用バブルのリスクに警戒する必要がある。

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