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2021.02.18
カントリーリスク&経済レポート

コファス 2020年第4四半期バロメーター 不均一な回復

コファス 2020年第4四半期バロメーター

最新の四半期リスクバロメーターと、年間のカントリーリスク及びセクターリスク・ハンドブックの発行にあたり、信用保険大手のコファスは、国、活動分野、所得水準などによって回復にばらつきがみられることを強調した。中国をはじめとするアジア諸国経済が世界経済の成長を支えているが、主要成熟経済については、年内に危機以前のGDP水準まで回復することはないだろう。この不均衡の拡大に加え、多くの国でパンデミックに対する政府の対応への国民の不満が高まっていることから、今年は抗議活動や武力衝突などがさらに頻繁に起きる恐れがある。

 

COVID-19のパンデミックの開始と、第二次世界大戦以後では史上最大規模の世界的景気後退から一年が経った。コファスは、2021年の世界経済成長は平均で+4.3%に達すると見込んでいる。一方、国際貿易は取引高ベースで(2020年の-5.2%から)+6.7%と上向く。 これらの予測は、主要先進国において人口の60%が夏までにワクチン接種を終えるという推定に基づいている。実際、集団免疫獲得によって、経済活動を損なうロックダウンを繰り返すなどのストップ・アンド・ゴー・サイクルを終わらせることは可能になるだろう。2020年に企業倒産件数が世界の全地域において減少した(世界平均で-12%、ユーロ圏で-22%、アジア太平洋地域で-19%、北米で-3%)ことは、政府の支援計画によるところが大きいと思われ、これらの支援策を継続することによって多くの企業が今年も倒産を免れるだろう。それでもなお、これらの様々な公的支援計画をもってしても、2020年のショックは2022年には、特にスペイン(2019年と比較して16%増)、フランス(13%増)、イタリア(9%増)、ドイツ(6%増)などの国での倒産件数の増加を引き起こすとコファスは予想する。

 

最新の四半期バロメーターの中で、コファスは経済回復にはばらつきが見られるだろうと予想している。

  • 国ごとに大きな差:中国をはじめとするアジア諸国経済(例えば、カントリーリスク評価が引き上げられた台湾など)が世界経済成長を支えているが、主要先進国については、年内に危機以前のGDP水準まで回復することはないだろう。その中でも、サービス活動への依存度が大きい国(スペインや英国など)や、ワクチン接種プロセスが遅れている国などでは、回復にさらに長い時間がかかると思われる。
  • セクター別の不均衡:この四半期のセクターリスク評価で23カ国で改善が見られた中で、半数近くが、2020年の後半に予想外の好調な成長を見せた自動車セクターに関連するものであり、建設と化学がこれに続いた。予想通り、多くのサービス活動はパンデミックにより今後も長期的な低迷を強いられる。運輸セクターが最も大きな影響を受けており、セクターリスク評価が9カ国で引き下げとなった。

国々の国内状況において所得格差が拡大:資格などを持たない労働者、若者及び女性は、他の層と比べて多く職を失っており、特に女性の失業は最も大きな打撃を受けたサービス活動において顕著である。さらに、21世紀に起きたこれまでの感染症の流行の例を見ると、この所得格差の拡大は今後も長く定着し、社会不安の拡大につながっている。特に社会不安は、実際のパンデミックから平均して一年後に起きている。

 

 

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