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2019.07.08
カントリーリスク&経済レポート

コファス バロメーター - 貿易摩擦が再び世界経済の中心に

コファス バロメーター - 貿易摩擦が再び世界経済の中心に

米中の貿易戦争、苦境の自動車セクター、新興経済の成長鈍化等によって2019年の第2四半期は、世界経済の減速が顕著となった

 

2019年上半期は世界貿易の落ち込みが確認され、下半期でやや持ち直すことが期待されたとしても、コファスバロメーターによれば、通年では貿易量は0.7%減少すると思われる。世界の経済成長は、2018年の3.1%から、2019年は2.7%に鈍化すると予想される。この流れで、コファスは、2019年は多くの国で企業の破綻[1]が増えると予想する。

苦境のセクター、特に自動車セクター

自動車、金属、流通、衣料品セクターなど、世界経済の脆弱性を表すセクターが多くある。コファスは、13か国の自動車会社の多くについて、リスク評価を6か月で2度、強化している(また、欧州では、ほぼすべての自動車セクターのリスク評価を強化している)。

自動車セクターは世界経済の苦境の象徴である。また同時に、多くの地域での周期的な経済減速、保護貿易主義に関連する政治的リスク、そして消費者行動の変化(例えば、中国での住宅設備のレベル向上や欧州での汚染防止規制等)による不利益を被る。

 

世界経済に影響を与える貿易摩擦

米中の貿易摩擦は、国内需要の不振と共に米国経済の減速の原因となるだろう。経済成長も2018年の2.9%に比べると、2019年は2.5%、2020年はわずか1.3%と予想される。中国は、貿易戦争によって、明らかに米国への輸出が落ち込んでおり、2019年の最初の4か月で10%減少した。

より広く見ると、米中政府の交渉の行方の不透明感と、この貿易戦争による緊張が、景況感に重くのしかかり続けている。景況感の指標は、世界中の多くの国でこの一年、特に製造業で低下した。ドイツの場合、IFOなどの景況感の指標が6月、過去5年で最低レベルとなった。年間工業生産率は低下傾向である。コファスは、経済成長を、昨年の1.5%と比べ、今年は0.8%と予想する。コファスはドイツのカントリーリスクをA1からA2に引き下げた。ドイツ経済に依存する3か国についても同様に、チェコとスロバキアはA2からA3に、オーストリアはA1からA2に引き下げた。ビジネスリスクはアイスランドでも高まっている(A3に引き下げ)。上向きなのはウズベキスタン(CからBに引き上げ)とキルギスタン(DからCに引き上げ)で、両国は相対的に見て、政治的、経済的に開かれているという国の特性の恩恵を受けている。

 

[1] コファスは世界38か国の企業破綻予測を行っている。

 

 

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