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2020.06.09
カントリーリスク&経済レポート

コファス・バロメーター2020年第2四半期 大規模なショックから、一様ではない回復へ

コファス・バロメーター2020年第2四半期  大規模なショックから、一様ではない回復へ

 

外出制限を緩和する措置が最初に取られてから数週間が経ち、ほとんどの欧州諸国では経済活動が改善しつつある。しかしながら、中国から遅れること約2カ月、この段階的かつ部分的な回復では外出禁止措置が世界の経済成長に与えた影響を打ち消すことはできない。

これについてコファスは、2020年の景気後退(世界のGDPが4.4%下落)は2009年の経済危機を上回る規模になると予測している。新型コロナウイルス・パンデミックの第二派が起きないという仮定に基づいて、2021年には回復(+5.1%)が予想されているもののGDPは米国、ユーロ圏、日本、英国において、2019年の水準と比較して2ポイントから5ポイント低くなると考えられる。

 

急速な回復が見られないことの主な原因は二つある。すなわち、パンデミックの進展に関して依然として不確実性が高いことから、家庭の予備的貯蓄や企業の設備投資のキャンセルが増えると予想されること、そして一部のセクター(特にサービス活動や燃料として利用される原材料など)における取り戻せない種類の生産損失があることである。各国中央銀行による措置は、特に(西欧を中心に)これまで一部の企業の生産能力の維持のために主として債務の増加を通じて貢献してきた国において、4月以降の金融市場を安定化させるのに役立った。しかしながらこれは同時に、これらの国で雇用や企業のキャッシュフローの調整という問題が後回しになっていることを意味している。

 

企業倒産は、これから2021年までの間に全世界で、2019年と比較して3分の1程度増加する

公的支援策にもかかわらず、既に前回のコファス・バロメーター(2020年第1四半期)で焦点を当てた倒産件数の増加は、米国(+43%)、英国(+37%)、日本(+24%)、フランス(+21%)、ドイツ(+12%)など、主要な成熟経済すべてに影響を及ぼす可能性が高い。しかし、多くの新興経済国(ブラジルで+44%、トルコで+50%)もまた、外出禁止策が実施されたことによる経済的損失や、観光業収入、出稼ぎ労働者の本国送金、価格が下落したコモディティの活用関連収入の落ち込みの影響を受けることになる。

 

パンデミックは運輸に加え、自動車、金属、小売、繊維衣服など、昨年既に弱体化していたセクターにもさらに打撃を加える

 

この倒産件数の急速な増加は、短期の企業信用リスク(6カ月から12カ月)の上昇を反映している。

コファスが(マクロ経済、金融及びミクロ経済のデータなどを使って)評価したこのカントリーリスクの増加には、全世界の40%強に相当する71カ国のカントリーリスク評価の引き下げが反映されている。セクターリスク評価については、コファスが評価する28カ国における13の事業セクターの約40%(全世界のGDPの88%を占める)が引き下げという結果になった。予想されたとおり、現時点では運輸セクターが最大の影響を受けており、昨年既に不振だった自動車と小売が続く。逆に製薬や、そこまでではないものの農産食品及びICTなどは堅調である。

 

外出制限を緩和する措置が最初に取られてから数週間が経ち、ほとんどの欧州諸国では経済活動が改善しつつある。しかしながら、中国から遅れること約2カ月、この段階的かつ部分的な回復では外出禁止措置が世界の経済成長に与えた影響を打ち消すことはできない。

これについてコファスは、2020年の景気後退(世界のGDPが4.4%下落)は2009年の経済危機を上回る規模になると予測している。新型コロナウイルス・パンデミックの第二派が起きないという仮定に基づいて、2021年には回復(+5.1%)が予想されているもののGDPは米国、ユーロ圏、日本、英国において、2019年の水準と比較して2ポイントから5ポイント低くなると考えられる。

 

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