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2019.09.25
カントリーリスク&経済レポート

オランダ:貿易の秘密

Netherlands: What is the secret of Dutch trade?

17世紀、支配的な力を持つ世界的な海運国であり経済大国であったオランダは、世界貿易の主役であり続けている。2018年、オランダは世界第6位の製品輸出国であり、GDPの観点から見ると、2015年に(アイルランド、スイスに次いで)第3位だった。

しかし、潮目は変わり、世界の経済環境は以前より悪くなり、勢いが失われている。2019年通年で、世界の貿易量は0.8%減るとコファスは予想する。

世界貿易のこの減速は欧州最大の貿易国にとってどのような意味を持つのだろうか。

欧州の中では羨ましい状態

2018年のオランダの対外貿易(物品・サービスの輸出入)は、GDPの161%であった。ドイツの場合はGDPの50%である。ロッテルダム、アムステルダム、ムールデイク、テルネーゼンの各港湾と数か所の国際空港を持つオランダは、特に設備が整っており、欧州の中心で主要な物流拠点となっている。

世界の貿易環境に対して障害が増える中、オランダの輸出は、他国と比べると、比較的高い前年比成長率を保って成長を続けているようだ。これは、一部には、原油価格が高い水準を保っていることによる。原油とガスは同国の輸出の大きな割合を占めている。また、近年、オランダ経済の価格競争力が増していることも理由の一つである。人件費は2014年に大きく下がり、その後変動せず安定している。

ロッテルダム効果

地理的状況が有利であり、インフラに競争力があるため、多くの物品がオランダを経由して輸送される。これらの物品の「再輸出」は、オランダ貿易のバランスシートの不可欠な部分となっている。これらの輸出の付加価値は非常に低いが、その量は貿易統計に大きな影響を与える。これが「ロッテルダム効果」と呼ばれるものだ。2016年、輸出総額は4,325億ユーロで、そのうちの1,891億ユーロ(約44%)は再輸出によるものだった。つまり、オランダは2016年に521億ユーロの貿易黒字を記録したが、再輸出と輸入がなければ200億ユーロ少なくなっていたということである。

新しい障壁や古い障壁が迫りつつある

オランダは、特に米国および中国から欧州への物品貿易のまさに出入り口である。新しい米国の通商政策は既に影響を見せつつあり、2018年12月から米国への輸出が減っている。欧州の車に米国が関税を課す可能性もオランダにとっては差し迫った脅威である。

しかし、米国の関税の脅威も、英国の合意なきEU離脱によって引き起こされる可能性のある影響に比べると取るに足りない。CBSやOECDによると、2018年、オランダ企業は英国への物品・サービスの輸出で255億ユーロの収益(オランダのGDPの3.3%)を得ており、付加価値の観点から見ると、英国は(ドイツに次いで)2番目に大きい貿易相手国だったという。英国はまだEUから離脱していないが、EU離脱の影響は既に目に見える形となっており、ポンド相場によってオランダ製品の価格が上がり、競争力が落ちている。

オランダの今後の動態

オランダは、その開放性ゆえに貿易上の衝撃に脆弱であるが、同時に、貿易関係を素早く調整することができるという特徴を持っている。

ロッテルダム効果に支えられ、欧州内で生産および貿易の独立性を強めているため、世界貿易の減速が、必ずしもすぐにオランダの輸出統計に影響を与えるとは限らない。個人消費や民間投資は、現在、オランダ貿易の主要な駆動力となっており、たとえ世界貿易が弱まっても、オランダ経済は成長することが可能である。

したがって、世界のビジネス環境は難しい局面にあるが、オランダ経済は、過去10年間の平均成長率にそって、2019年は1.7%、2020年は1.5%成長するとコファスは予想する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロッテルダム効果

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