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2016.02.16
カントリーリスク&経済レポート

パノラマ:フランスの企業倒産件数

フランスの企業倒産件数、平常化へ

フランスの企業倒産件数、平常化へ

  • 2年連続で減少:対2014年比で2.1%減少
  • 企業倒産率は金融危機以前の水準へ
  • 2部門(個人向けサービス、繊維)及びイル・ド・フランスなど3地域で状況悪化
  • フランス経済の緩やかな回復により、2016年の倒産件数は3.5%減少する見込み

 

2015年はフランスの企業倒産件数が改善 

企業倒産件数[1]は2年連続で減少し、6万800件となった。対2014年比では2.1%の減少であり、あらゆる業種で好転が見られた(ランキングは売上高ベース)。依然として経済状況は厳しいものの、いくつかの好材料が働いた。すなわち、原油価格の急落、対ドルでのユーロ下落、競争力・雇用のための税額控除(CICE[2])により、利益率は2011年以降で最高の水準まで回復した。借入コストの低下により、非金融系企業への融資が伸び、2015年には5%増となった。

 

もう一つの明るい兆候は、企業倒産率[3]が2008年の金融危機以前の水準に回復し、77社に1社の割合となったことである。前年に比べ、企業倒産の規模も15%減少し、倒産の影響を受ける雇用数も12%減少した。さらに、景気減速の時期には倒産企業の設立年数が上昇する傾向が見られるが、この上昇も2015年4月に止まり、8年11ヶ月となった。こうした安定傾向は、状況が平常時に戻り始めている証拠である。

 

西欧では、2015年を通じて会社清算件数も改善しており、調査対象とした11カ国のうち10カ国で件数が減少した。特に減少が顕著だったのはオランダ(24%減)、スペイン(20%減)、フィンランド(13%減)である。企業生産件数が増加したのはポルトガルのみであり、建設部門が不振に陥ったことによるものである。

 

なお残る弱点

フランス企業全体の24%が集中するイル・ド・フランス地域は、企業倒産件数においても全体の21%を占めている。さらに悪いことに、イル・ド・フランス地域で設立された企業の倒産比率は5.7%と、フランス国内で最高となっている。この思わしくない結果は、主として、建設部門・個人向けサービス部門の不振を反映したものである。

コファスがモニタリングしている11部門のうち、2部門では引き続き倒産件数が増大している。

 

 

 

 

  • 個人向けサービス部門に携わる企業では、倒産件数が4.2%増加した(全体の19%)。家計におけるサービス消費の低迷が、ケータリング(4.6%増)、飲料直販(11.6%増)にとって重荷となっている。
  • 2015年に倒産件数の推移が最悪となったのは繊維部門であり、4.3%増加となった(全体の4%)。消費需要の低迷に加えて、年末の暖冬傾向により、商品在庫の負担による財務状況への影響が増大したものと思われる。

建設部門は、倒産件数こそ3.2%減少したものの、引き続き最もリスクの高い部門となっており、倒産率は2.1%(2006年は2.0%)となっている。これはつまり49社に1社が倒産しているという意味である(化学部門では128社に1社)。不動産需要の回復が見られないこと、また地方自治体による投資が減少していることが建設部門にとって重荷となっており、売上高で見た倒産規模上位100社のうち、建設部門が首位の18社となっている。  

三度目の正直はあるか:2016年は再び件数増加へ

2016年に関して、コファスでは、経済状況がわずかに好転することにより(フランスのGDP成長率は2015年の1.1%に対し2016年は1.4%)、企業倒産件数の減少が加速すると予測している。コファスの企業支払い動向調査は、幅広い経済活動部門を対象としており、企業にとっての当面の状況を反映しているものと思われる。この他に選ばれた二つの変数、すなわち企業収益率(2016年末時点で32.3%と推測)、供与された融資件数(3.5%増と推測)が増大する可能性は高く、企業倒産件数は3.5%減の5万8700件、すなわち2009年3月の水準まで低下すると予測することができる。

 

徐々に緩和される銀行の融資条件、ユーロ安、原油価格の低下、フランス及びユーロ圏における家計消費の活発化が企業に恩恵をもたらすはずである。とはいえ、このシナリオにはダウンサイド・リスクもある。たとえば、金融市場のボラティリティは高い水準にあり、これがフランス企業の信認感に影響を与える可能性もある。

 

 

[1] 企業倒産件数は、会社清算(2015年は70%)及び管財人管理(同30%)の合計。

[2] 原語「Crédit d’Impôt pour la compétitivité et l’emploi」

[3] 倒産率は、倒産件数/企業総数

 

 

レポートをダウンロード 

  • Companies' situations returning to normal
  • Construction still under pressure
  • Ile-de-France lagging behind
  • Set for a third year of insolvency declines in 2016

 

 

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