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2014.11.06
カントリーリスク&経済レポート

ポーランドの企業倒産増加に歯止め―いつまで続くか

パノラマ:ポーランドにおける倒産件数
ポーランドの企業倒産増加に歯止め―いつまで続くか

2014年上半期、ポーランド企業に関する企業倒産統計は改善傾向を示した。破産を申請した企業は合計402社で、2013年の同時期に比べると11.5%の減少となっている。各部門を詳細に見ていくと、状況はさまざまである。小売部門では非常に競争が激しい一方で、長期的な不振に陥っていた建設部門はようやく良い結果を残した。2014年にかけての展望は暗く、外的な混乱要因と国内消費の不振が、ポーランドの企業倒産のリスク上昇を加速するものと予想される。

 

控えめな楽観論

2013年末にかけての数ヶ月と2014年第1四半期は、日用必需品の国内消費の増大(労働市場の改善に刺激された動き)が見られただけでなく、ポーランドの主要輸出市場の展望も改善した。これは、ユーロ圏の景気がゆっくりとではあるが回復してきた結果と見ることができる。とはいえ、今年第2四半期にはすでにユーロ圏の景気回復の減速が見られた。ポーランドの主要貿易相手国の一つであるドイツでは、GDPが前年同期比で0.2%のマイナスとなった。さらに、やはりポーランドにとって重要な市場であるロシアも成長減速に苦しんでいる。ロシア・ウクライナ間の紛争に関連する政治的リスク、農産食料品に関してロシア政府が実施した禁輸措置によって、状況はさらに悪化している。

 

 2014年上半期の企業倒産統計からは、ポーランド企業が主要輸出市場の景気悪化に抵抗している様子が窺われる。とはいえ、コファスの経験からは、企業倒産の推移はマクロ経済の状況の変化から1~2四半期遅れるのが普通である。このように考えれば、今日の統計はもっぱら、2013年末~2014年初めにかけての健全な企業状況を反映したものである。この間、国内需要は成長してポーランド経済の大きな原動力となり、輸出市場のリスク水準も比較的低かった。

 

各部門の状況はまだら模様
  • 建設部門:トンネルの向こうに光明が

長きにわたり不振に陥っていた建設部門だが、企業倒産件数の増大は止まり、2014年上半期には21%減少した(2013年上半期との比較)。だが、建設部門で活動する企業の数は過去数年に比べて減少している点には注意すべきであり、このことが、これまで企業倒産件数が多かったことに部分的にせよ関連している。

  • 小売部門:慎重な消費者と激しい競争

小売部門の倒産件数は27%増大した。この部門で進んでいる再編プロセスは、激しい競争と収益性の悪化を特徴としている。労働市場の改善にもかかわらず、消費者は購入判断を下す際に依然として非常に慎重である。耐久消費財の需要不振は、今年最大規模となったDomex(「Avans」チェーンの親会社)の倒産が証明している。

  • 輸送部門:対外貿易の混乱に振り回される

2014年上半期の輸送関連企業の倒産件数は2013年上半期と同じ水準だった。しかしこの傾向は、主として二つの理由でまもなく変化する可能性がある。現在の対外貿易の混乱により、今後数四半期の間に倒産件数が増大する可能性がある。さらに、部門内での競争が激しく、各社とも収益性の低下を余儀なくされる一方で、営業固定費は負担する必要がある。

 

外部の混乱がポーランドにおける今後の企業倒産件数に与える影響

 

海外市場の現在の状況は、ポーランド経済にとって多くのリスクを生み出している。ロシア経済の減速、さらにはユーロ圏での景気回復が期待外れに終わっていることにより、ポーランドからの輸出は抑制されている。特に後者はいっそう大きなリスクとなっている。ポーランドからの輸出の53%はユーロ圏向けであり、総輸出の26%をドイツ向けが占めている。コファスの予測では、今年(2014年)のユーロ圏の成長率は0.9%、ロシアは停滞(0%)になるだろう。

 

コファスでは、ポーランドにおける企業倒産に対する外的要因の影響について最も可能性の高いシナリオとして、ポーランドにとって不可欠の輸出市場が停滞することにより、倒産件数が8%上昇すると見ている。これに加えて、EUとロシアの対立がエスカレートするかユーロ圏の減速が深刻になれば、倒産状況に与える影響はいっそうネガティブなものになりかねない。

 

コファスの中欧地域担当エコノミストのGrzegorz Sielewiczは次のような結論に達している。「ポーランド経済の成長は今年、純輸出に頼る状態から内需主導へとバランスを回復しました。しかし期待外れに終わったユーロ圏の景気回復、ロシアが実施した禁輸措置といった外部からの影響により、今後もポーランドの企業倒産のリスクは高めとなるでしょう。コーポレートリスク上昇の例としては、輸送部門などがあり、国際市場への依存度が高いため、すでに需要減少による悪影響が出ています。同時に、ロシアによる禁輸措置は、単に農産食料品の輸出企業の業績悪化を招いているだけでなく、ただでさえ今年の豊作による影響を受けている国内市場の価格にも下降圧力をもたらしています」。

 

 

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Table of content :
  • On a recovery path amid external risks
  • Insolvencies Barometer
  • Will current external turbulances affect the number of insolvencies ?
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