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2016.09.21
カントリーリスク&経済レポート

2016年モロッコ企業の支払状況調査

coface press release

2016年モロッコ企業の支払状況調査:国内経済が低迷するにつれ、与信期間は長期化

 

  • 2016年のモロッコ経済は、農業セクターの不振による活動の減速が予想される。
  • 非農業セクターは回復を見せているものの、与信期間は全セクターにおいて長期化しており、調査対象となった企業では活動の停滞を予想している。
  • 2016年は、小規模な企業は大企業と比べて与信期間が短いという調査結果になっている。
  • 支払遅延は引き続き雇用と投資に対する大きな障害となっている。

 

モロッコ経済は減速しているが需要と投資は持ちこたえる

 

モロッコの経済成長は、2015年に4.5%近い成長を達成した後、2016年には減速した。2015年から2016年の間に穀物生産が70%以上下落し、これによって同国のGDP成長率は今年はわずか2%程度にとどまる可能性が高い。この低成長は第1四半期に見られ、さらに第2四半期も続いた。年率の成長率は1.4%となる。しかし、農業付加価値は縮小したものの、非農業セクターの付加価値は、2016年第1四半期及び第2四半期の両方で2.5%上昇した。

 

2015年と同様、コファスはモロッコの企業208社について、支払い動向と一般的な傾向を調査した。調査結果から、モロッコの企業が国内経済の減速を察知していることが明らかになった。調査対象となった企業の半分以上(55%)が活動の停滞を、28%が事業環境の悪化を感じている。一方、2015年の調査では39%が活動の前向きな進展を期待していた。

 

需要は引き続き、活動のけん引役となる。家計消費は2016年第一四半期に2.7%増加(2015年には2.3%の増加)し、その後第2四半期に入っていくらか減少した。

2016年の投資は、対前年比で5%増加するだろう。この傾向は、調査からも見て取れる。52%が、投資に前向きだと回答している。

 

農業、製造業及びサービス業の各セクターに注意

 

農業セクターは大幅な下落を続けており、2016年第2四半期は、第1四半期の9%の下落に続き、さらに12.1%下落した。気象条件が悪かったことの影響で、穀物生産は70%減少した。これを相殺するには、工業農業生産と野菜の生産の伸びだけでは不十分であった。しかしながら、漁業セクターの業績がよかったおかげで、農業GDPの落ち込みは限られたものだった。

 

2016年第2四半期の製造業と採掘業は幾分回復し、第1四半期の2.9%の上昇に続き、3.2%上昇した。この前向きな動きは、主として、農業食品、機械製造、そして化学産業の業績改善によるものである。

 

サービス業セクターは、2016年の第1四半期には2%の成長を記録した。これは、2015年の同期の数値と比べて0.9%の改善である。金融・保険活動に関連するサービス(こちらは0.3%の下落)を除き、その他の第三次産業活動セクターはプラスの成長を生み出した。

 

 

与信期間は長期化している:モロッコの企業は景気低迷の影響を被る

 

2015年には、調査回答者の30%以上が、請求書発行から30日から60日の間に支払いを受けていた。この割合が、今年は24%に減少。

 

与信期間が90日以上という企業の数は、特に公的部門において増加している。

 

モロッコの民間企業はもう少し安定しており、回答企業の48%が、与信期間に変化はないと回答している。それでもなお、支払い行動に改善が見られたと回答する企業の割合は著しく低下した。また、調査結果は与信期間が最も長い企業の間で、活動の沈静化を感じている割合も最も多いことを示している。これらの企業の割合は、2015年には回答数の40.3%だったのが、2016年の調査では55%に増えた。

 

平均支払い期間は、企業の活動によって異なる。小売り及び建物と公共事業セクターは、与信期間が90日を超える割合が高い特徴がある(貿易と小売りで57%、建設、建物及び公共事業で55%)。事業サービスや農業食品などその他のセクターでは、与信期間は90日以内が多い(農業食品に至っては60日以内である)。建物と公共事業セクターは、2015年から2016年にかけて、与信期間が最も顕著に変化したセクターの一つである。この悪化は、主として企業の現金状況に影響を及ぼした。

 

貿易及び小売セクターでも、平均与信期間が120日以上という企業の数が23%増加し、与信期間の長期化に悩まされている。

 

事業サービス(調査サンプルの中で3番目に大きいグループ)は、与信期間の改善の恩恵に浴している数少ないセクターである。このセクターでは、平均与信期間が30日以内の企業の数が3.8%増加した。一方、与信期間が120日を超えると以前に回答した企業の数は、5.6%減少した。支払遅延の割合は、全体と比べて低く、さらに事業サービス企業の20%が、現金状況が改善したと回答した。それでもなお、与信期間の幾分かの改善は見られるものの、同セクターは2016年のモロッコの景気低迷の影響を受ける可能性が高く、企業の56%が活動の停滞を予想している。

 

大企業と建設セクター:与信期間が悪化する傾向

 

与信期間は悪化の傾向を見せているものの、支払い延滞の日数には改善が見られる。30日以内の延滞日数の割合の増加は、与信期間に関する(2014年に決定された)法が発効したことで説明がつく。企業の規模別の延滞については、大企業により長期の延滞が多い傾向にある。セクター別では、建設と事業サービスのセクターの企業が、日数では長期の延滞を経験している。

 

調査中、コファスは企業の財務健全性と将来の見通しに対して、延滞が及ぼす影響を分析した。企業の経験する延滞期間が短いほど、その企業の現金状況は大きく改善する。同様に、30日を超える延滞があると回答している企業の現金状況は悪化している。最後に、キャッシュフローの見通しは、延滞にもかかわらず多くの企業で安定していた。これは、企業にとって顧客の支払い動向は織り込み済みであり、キャッシュフローの見通しにおいて、延滞の可能性に備えて準備していることをうかがわせる。

 

支払いの延滞は、与信期間の長期化と同様、企業の投資能力を削る。投資を控える理由について企業に質問したところ、延滞が最も多かった企業は資金調達の問題を挙げていた。平均延滞日数が30日から60日の企業は、経済の見通しが明るくないことを主な理由として挙げている。

 

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  • Outlook for the Moroccan economy
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