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2018.10.25
カントリーリスク&経済レポート

貿易多角化のプロセスの途上にあるUAEは、まだ国際的バリューチェーンに組み込まれるには至っていない

貿易多角化のプロセスの途上にあるUAEは、まだ国際的バリューチェーンに組み込まれるには至っていない
  • その戦略的な位置のおかげで、アラブ首長国連邦(UAE)は、他国との間に多様な経済・協力協定を結んでいるように、地域内での輸出と再輸出において中心的な役割を果たしている。
  • 一帯一路構想の進展は、UAEにとってはリスクとチャンスの両方を意味する。[1]
  • しかしながら、同国は依然としてその貿易多角化のプロセスの途上にあり、まだ世界のバリューチェーンの中に組み込まれているとは言い難い。

 

石油依存度を減らすための多角化が進む

 

民間部門の拡大を促す規則、投資、貿易障壁、及び規制に関する具体的な政策枠組みを実施することに寄り、過去30年間でUAEはGCC地域で第二位の規模の、最も多角化の進んだ経済へと成長した。2000年から2017年までの間に、歳入総額に占める石油収入の割合は7パーセント・ポイント縮小して53%となった。石油と石油製品の輸出が総輸出に占める割合は、2000年の76%から16%にまで減少した。その間に、プラスチック、木材及び紙、貴石、セメント、交通製品、及び金属などの輸出が拡大している。

 

これらの前向きな結果が得られているにもかかわらず、UAEは依然として統合された国際的バリューチェーン(GVC)には組み込まれていないと見られる。燃料、金属、鉱物、及び岩石など、製造セクターのごく限定的な割合を占める輸出品がランクインして組み込まれているのみである。この状況が、UAEの企業が複数の国にわたって製造プロセスを確立することを阻んでいる。その結果、同国による経済及び貿易を多角化させようという熱心な試みにもかかわらず、GVCへの統合は限定的なものとなっている。

 

一帯一路構想:便益とリスクの両面

 

UAEは多くの国と貿易及び投資に関する多様な協定を締結しており、2013年に開始された一帯一路構想(BRI)などを通じて、中国にも便益をもたらしている。これらの協定は商業および投資を加速させ、同国は特に建設、金属、貿易、物流及び炭化水素などのセクターで、より幅広い市場へのアクセスが可能になることが考えられる。

 

UAEと中国との二国間の貿易額は2017年には前年比15%増の527億米ドルに達した。非石油貿易の額は35億米ドルであり、輸入は319億ドルに達した。現在、UAEから中国への主な輸出品は、アルミニウム・インゴット、化学肥料、石油、及びポリスチレンで、逆に輸入は主として繊維製品、アパレル、金属製品、機械及び電子機器となっている。2018年にはBRIの枠組み内で、中国・UAE間の非石油貿易が580億米ドルにまで拡大すると予想されている。というのも、同構想がUAEに、地域内の輸出及び投資のハブとしての地位を確立する機会を提供すると考えられるからである。UAEと中国は既に複数の分野にわたる13もの協定及び合意を締結しており、UAEは中国からの投資を増やすことが可能になっている。ただし、中国は現時点ではUAEへの海外直接投資の上位10以内にはランクインしていない。

 

しかし、BRIを巡っては依然としていくつかの懸念が浮上している。この構想に参加する多くの国が直面している地政学的な不安定さと政治的緊張により、もし広域的な危機が起きるようなことがあれば、UAEにも影響が及ぶ可能性がある。同時に、中国経済の減速もUAEの産業に重くのしかかる可能性がある。UAEの石油及び石油化学製品に対する需要への悪影響が出かねないからである。さらに、現在の貿易戦争の中で、中国に対する米国の保護貿易主義的施策がさらに追加されるようであれば、それもUAEの貿易及び物流セクターに悪影響を及ぼすことが考えられる。

[1] 2013年に中国が発表した一帯一路構想は、アジア、アフリカ、及びヨーロッパを、陸路と海路による6つの経済回廊で繋ごうという経済圏構想である。

 

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