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2014.02.27
カントリーリスク&経済レポート

中国、企業の支払遅延が過去3年間で最高水準に。2013年には企業の80%に影響

中国、企業の支払遅延が過去3年間で最高水準に。2013年には企業の80%に影響

2013年第4四半期の中国の信用リスク調査を、世界トップクラスの取引信用保険会社コファスが取りまとめた。調査により、2013年には、売掛債権の支払遅延を経験した企業が80%にものぼることが判明した。化学部門、産業機械部門、家電部門におけるリスクが高まっている。2014年も引き続き信用条件が厳しくなることが見込まれており、企業の支払い能力の悪化は中国のシャドーバンキング市場に大きな波及効果を及ぼす可能性がある。

 

2013年には企業の支払遅延が継続的に増加

 

 調査では、聞き取りを行った企業の82%が2013年に売掛債権の支払い遅延があったと回答しており、2012年と比較して5%増、過去3年間で最高の水準に達した(付表1)。このうち45%の企業は、支払遅延の金額も増加したと答えた。また、延滞期間も以前と比べて長くなっている。90日以上の支払い遅延があった企業は、2012年と比較して5%増加し、18%に上った。

 

 支払いが6ヶ月以上遅れている場合は、非常にリスクが高いと言える。コファスの今までのデータによると、6ヶ月以内に支払いが行われなかった場合に全額が貸倒れとなる確率は80%である。また、延滞金額が売上総額の2%を超える企業は、資金流動性の面で問題を抱えていると考えられる。このような状況は調査の対象となった企業の33%に当てはまり、深刻な流動性の問題が起こっていること、また、サプライヤーや貸付銀行、金融機関への不払いのリスクが高まっていることが伺える。

 

 コファスのアジア太平洋地域担当エコノミストのRocky Tungは、次のように述べた。「中国における支払い能力の悪化には注意が必要だ。これまでもよく言われてきたように、中国の小規模企業は必ずしも通常の銀行システムから十分な信用枠の供与を受けているとは限らず、こういった課題がシャドーバンキングシステムの発展の主な原動力となってきた。2014年は資金調達コストが上昇していくことが見込まれるが、シャドーバンキングの金利は現時点でも既に高い。支払遅延が増加傾向にあることから、サプライチェーンの様々なステークホルダーにとって流動性の確保が困難になってきており、このような悪循環が大きな波及効果をもたらす可能性がある。」

 

産業機械部門、家電部門、化学部門が高リスク

 

2013年、中国経済のほとんどの業界で支払い能力の悪化が目立って見られた。2013年には、売掛債権の平均延滞期間が60日以上に伸びた企業が増加し、2012年と比較して状況が悪化していることが分かった。これは特に、産業機械部門(+16%)、家電部門(+19%)、化学部門(+11%)において深刻である(付表3)。

 

調査では、中国経済における各業界の健全性を測る際に、支払い能力に加えて財務状況(負債比率や収益性)も考慮に入れるようにした。Rocky Tungは、次のように述べている。「負債比率を見ると、様々な業界においてレバレッジの状態がどのように変化してきたかが分かるとともに、資金調達コストが各業界にどのように影響を与えるか、また、各業界の参加者が自身の事業に対する資金調達をどれほど必要としているかが分かる。加えて、各業界の収益性も当然重要だ。これもまた、企業が事業からキャッシュフローを生み出す能力を知るのに役立つ。」

 

産業機械部門、家電部門、化学部門では、支払能力と財務実績の両方の指標が悪化している。この原因としては、2013年の国内市場及び輸出市場における需要低下や各部門での競争の激化などが考えられる。

 

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2014年の中国経済の成長と金融引き締めに対する企業の懸念

 

 ニュースでは労働コストの上昇と人民元の切り上げが大きく取り上げられているが、中国企業にとっての懸念材料は全く別のものだ。これらの要因を懸念材料として挙げたのは、調査対象企業の26%(労働コスト)と9%(人民元切り上げ)に過ぎなかった。企業の大半(61%)は、中国の景気後退が懸念されると答えた。また、金融引き締めも、信用枠の供与を得られる可能性が下がることから、企業の50%が懸念していると回答した(付表4)。

 

 これまでの目覚ましかった経済成長は現在の成長率の平坦化の過程の中で減速傾向にあるものの、中国のマクロ経済全体は2014年も健全性を保っている。中国政府の過去数年の成長目標が低くなってきていることにも表れているように、華々しい経済成長も時間が経つにつれ徐々に減速してきた。中国は世界で二番目の経済規模を誇るが、7.7%という2013年の実質GDP成長率は、この14年間で最も低い値だった。これは、これからは成長の「量」よりも「質」を追求するという政府の方針とも一致する。とはいえ、コファスは2014年も前年比7.2%のGDP成長を見込んでおり、中国は依然として世界で最も急速に成長している国だと言える。

 

 消費主導型の経済成長に対する期待が高まっているものの、中国の家計所得の伸び率は数年前から減速傾向にあり、今後もそれが続く見込みであるため、引き続き投資が中期的な成長の原動力となるだろう。2012年から2013年にかけて、平均所得は12.4%から9.6%へ、平均消費支出は10%から8.1%へとそれぞれ減少した。2014年の国内消費の成長はこれまでよりも速度を落とす見込みである。

 

中国企業の売掛金管理に対する意識の向上

 

今日、中国企業の90%が掛け売りでの国内取引を行っている。調査で企業の60%以上が様々な売掛金管理手段を採用していることが分かったのは、喜ばしいことだ。

 

コファスのアジア太平洋地域CEOのRichard Burtonは次のように述べた。「売掛金は他の資産と同様に重要なものであり、企業によっては売掛金が最も大きな資産である場合もある。掛け売りでの取引に応じることは、事業を成功させるための効果的な方法だと言える。しかし、適切な信用管理を行わなければ、企業の財政状況が深刻な影響を受けかねない。また、2012年には18%だった信用保険の加入率が2013年には24%に上がったことは心強い。」

 

コファスは2003年から中国企業の信用管理の調査を実施しており、2013年は11回目の調査となる。2013年10月から12月の間に様々な部門から956企業が参加した。調査は、中国企業の支払い実績と信用管理手段への理解を深めることを目的としている。

 

 

 

[1] レバレッジ及び収益性

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